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何も話せない私と、
それを察してか何も言わない蓮。
私が落ち着くまで待つつもりなんだろうか。
蓮は、私にどうするべきだと思ってるんだろう。
でも多分、
「…ドンマイぐらいは思ってくれてる？」
「…は？」
「ありがとう、ドンマイだよね」
笑顔作ったって何も解決しないか。
「ありがと蓮、心配してくれて」
それでも懲りずに笑って立ち去ろうとすると、
蓮に腕を掴まれた。
…え？
真剣な表情の蓮が口を開く。
「…ムカつく」
「…え？」
「俺の前で無理して笑ってんのも、俺のこと見ようともしてないのも全部」
「…いや、意味わかんない、」
「好きって意味」
え？
「俺はAが好きなの！ずっと！」
理解が追いつかない。
「…待って、じゃあ何で私の相談なんか聞いてたの？」
「意識してもらうために決まってんだろ」
「えっ…」
「相談してるうちに俺の存在が大きくなんじゃないかと思ったから。じゃなきゃこんなしんどい役引き受けねえよ」
私の腕を掴んだまま必死に紡ぐ蓮に抱きしめられる。
思わず離そうとすると、
「離れんな」
そうしてさらに力を込められる。
「…俺、諦めるとか無理な段階までもう来てるから」
「蓮…」
「それぐらい好きなんだけど。責任取って」
「何責任って…てかどうやって、」
「俺とデートして」
蓮が即答する。
「そんな急に、」
「俺ずっとAの相談乗ってたけど？自分犠牲にして」
「そうだけど…」
「だよね？だったら？」
「え？」
「今度はAがお返しする番じゃない？」
強引で、誘導されてる。
そう分かってても、私は頷いた。
蓮の口から喜ぶ言葉が漏れて、彼の手が頭に優しく触れた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
