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それから少し経ったある日のホームルーム。
私は次の日には心が切り替わっていて、
先生を前にしていつも通り見つめるほど元気になっていた。
「あと、先生から皆に報告があります」
そんな時、先生がそう言葉を放つ。
私を含めちゃんとクラスがざわつきだす。
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「隣のクラスの三島先生と、結婚することになりました」
え?
「えー!!」
「またそれに伴って、先生は今月でこの学校をやめることになります」
「先生いつから?」
結婚。
異動。
相手に、想いを認めてすらもらえないまま、
私の恋は終わった。
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ホームルームが終わって、そそくさと教室を出る。
先生に駆け寄るクラスメイトも、それを宥めながらも照れている先生すらも鬱陶しい。
私が古典ができてたら、この状況を短歌にでもしたんだろうか。
最悪だ。
もう嫌だ。何もかも。
「…何なの、」
学校で初めて、涙が流れた。
隠すように、歩くペースを速める。
「A!」
反射的に振り返ってしまう。
蓮だ。
歩くスピードを加速させる。
それでもサッカー部の脚力には当然敵わなくてすぐ追いつかれ、肩を掴まれた。
「A、」
「…」
私の顔を見て、蓮は誰も来ない場所を探してそこに私を連れて行った。
体育館裏の倉庫の裏側に、気付けば来ていた。
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作者名:キキララ | 作成日時:2023年10月20日 17時