#1 「親友と伝えたい想い」×Blue ページ1
(You side)
いつも通り、始業時間の15分前に高校に着いた。
下駄箱で靴を履き替えて教室へ向かおうとすると、
「おはよA」
近くから聞こえたその声にドキッとした。
「お、おはよ、なべ」
「あーお前またなべ呼び。翔太でいいって言ったよな？」
「ごめんごめん間違えた」
「間違え過ぎな？」
そう言いながらいい意味で軽々と笑う翔太。
さりげなく靴を履き替えるのを待っていたけど、私のよく知らない翔太の友達が彼を呼んだから、一人で教室に行った。
私は翔太が好きだ。
でもこの想いを一番に相談したい人には言えない。
その理由は、
「翔太おはよ！」
「おはよ」
「ねえ、寝ぐせついてるよ」
「まじ？どこ？」
「嘘」
「だるお前」
翔太と楽しそうに話す美夢。
私の親友で、
美夢も翔太が好きだから。
少し前に相談されていた。
その時は翔太のことが気になり始めていただけだったけど、美夢から話を聞いていくうちに翔太の存在が強くなってしまってた。
最初のうちは何とか繕えていたけど、
何度も美夢から話をされるうちにどんどんしんどくなっていて。
自分が悪いのは分かってる。
でももう、このまま嘘つけない。
美夢との２人の帰り道。
いつも通り翔太の話をする彼女に、
「…あのね、美夢」
「ん？」
「話があって」
どうしたの？と優しく聞いてくれる美夢を見ると、涙が溢れてきた。
「A…？」
「…好きなんだ」
「え？」
「…ごめん」
涙が止まる気配はなかった。
「私も…翔太が好きなんだ」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
