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入学してそんなに日も経たない中、学年で遠足に行くことになった。
キャンプ場でカレー作りもする僕らは、くじ引きでその班が決められる。
「じゃあくじ引きの結果、班こうなったからよく見ておいてね」
先生がそう提示し、全員がガヤガヤと黒板を見つめる。
.
一緒だ。
あの子と、同じ班になった。
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「ご飯係と野菜係に分かれて作ろ!」
「了解!」
同じ班のクラスメイトがそう指揮を執ってくれて、僕はその野菜係に。
あの子も一緒。
隣に並ばれると変な緊張が走る。
「...私、人参の皮剥きますね」
「...はい、お願いします」
僕あるある、同級生に敬語。
そして流れる沈黙。
作業しているとはいえ気まずい。
何故か分かんないけど僕は彼女のことを一方的に気にしている立場だし、お姉ちゃんが言った通りこの子も相当人見知りだ。
何か話さないと。
「...姉が、いつもお世話になっております」
いやまた敬語!しかもなって"おります"って、せめてますでしょ、
そんなツッコミが体中を駆け巡る。
ああ、変な人だと思われただろうなあ。
「私こそ、お世話になってるよ。深澤先輩には」
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作者名:キキララ | 作成日時:2022年12月1日 17時