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(You side)



「終わったー!」







またラウールくんと2人図書室で勉強をしている時、私の読書感想文の宿題がようやく終わって体を伸ばす。









「よかった!これで安心だね」









私にそう優しく言うラウールくん。









それでもまだ帰る気にはなれなくて、私もラウールくんも夏休み明けテストの勉強を始める。





.






最近、







やけに、彼のことを意識してしまう。









そもそも一緒に宿題しようって、深澤先輩が誘ってくれたんであって。



その先輩はいないし宿題も終わったのに、ラウールくんも帰る素振りを見せないのが嬉しいんだ。







...何でなんだろう。







時々ラウールくんを横目で見ながら、一人で考えていた。






.







いい時間になり、いつも通り当たり前のように肩を並べ帰りだす。







分かれ道が近づいた、そんな2人だけの空間で。










「Aさん」





「ん?」









「もし空いてたら...ここの近くである花火大会、一緒に行かない?」








そんな嬉しい言葉を綺麗な瞳と共に向けられた。


それなのに私は似合わない笑顔を控えめに浮かべて言う。









「でも、」



「ん?」



「ラウールくん、好きな人と行かなくていいの?」






.







「行きたいよ」









「だよね、だったら...」









「好きな人と行きたいから誘ってるんだよ」






.







え、










「...もし応えてくれるなら来てほしい。入口で待ってるから」










ラウールくんがこの場を去る。









時が止まったようになる私。







びっくりしすぎて、しばらくそのまま動けなかった。

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作者名:キキララ | 作成日時:2022年12月1日 17時

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