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「...何で、それを俺に話してくれたの?」







彼の瞳には、優しさ以上に心配が宿っていた。









「一昨日の帰り、当時の同級生に遭遇したんです。嫌味も添えられて。添えるというかむしろメインディッシュになってましたけど。


中学の時のこと思い出しちゃって、次の日も吹っ切れなくて。阿部先輩が何かあった?って聞いてくれたのに頷かなかったのは、誤魔化しです。知られたくないってその時は思ってました。







でも、阿部先輩以外でこれを知ってる高校の知り合いは、ラウールくんと深澤先輩だけなんですけど。
2人が受け入れてくれて、勇気づけてくれたから。

だから、隠さなくていいのかなって思えました。それで阿部先輩には昨日、心配と迷惑をかけちゃったから」









勝手に全部話した私を阿部先輩はどう思ったのだろうと今さら感じた。









「そうなんだ...Aも、色々あったんだね。
ごめん、驚かなかったとは言えないし隠せないし...」
「いえ、呼び出したのも話したのも私の勝手なので」







「てかさ、Aって誕生日何月なの?」
「誕生日?9月です」









何故ここで誕生日、と思ったら。









「じゃあ、11月の俺より早いね。
だから、俺が20歳になったら一緒にお酒飲んでくれる?」

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作者名:キキララ | 作成日時:2022年12月1日 17時

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