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「ラウ！おはよう」
「おはようお姉ちゃん」
今日は高校の入学式。
ソワソワしてたから早く起きて、慎重に制服に袖を通していると、同じ制服のお姉ちゃんが笑顔で僕を見る。
「どうしたの？」
「ラウ、似合ってるよ。制服」
「本当？嬉しい。
お姉ちゃんと蓮くんと同じ制服着るの夢だったから」
「何それ...かわいいなあ本当！」
「おはよー」
次いで、猫背が起きてきた。
目を擦りながらだったけど、僕を見るとその目を大きく見開く。
「ラウ似合ってんじゃん！」
「ありがとお兄ちゃん」
「いやあ...ラウももう高校生か...早いなあ...」
「ありがとおじいちゃん」
「おじいちゃんじゃねえ！」
「ラウ、蓮にも見せてくる？」
「うん！」
「じゃあねお兄ちゃん」
「相変わらず無視すんな！行ってらっしゃい」
.
「似合ってんじゃんラウール」
隣に住む幼馴染の蓮くんにそう言われすごく嬉しくなる。
「ありがとう蓮くん」
「ラウ、私と蓮と同じ制服着れるのが嬉しいんだって」
「可愛いなお前」
「もう僕高校生だよ、可愛くないよ」
「はいはい」
蓮くんは納得した言葉を投げながらもまだ笑っていて、それを見るとこの人には敵わないなとどこか思った。
「じゃあラウ、先行くね」
「うん、行ってらっしゃい」
在校生の２人は先に行き、僕はお父さんお母さんと一緒に後から行くことになっている。
お姉ちゃんの恋人で蓮くんの親友ともいつか会えたらなと、２人の背中を見て思った。
.
雑踏とは言えないけれど多くの人がいる構内に車を止めて降りる。
降りてふと、門の向こう側を見た時。
リュックサックを背負いながら両手でも支え、緊張しているのか門の前で深呼吸している一人の女の子が目に映った。
どうしたんだろう。
「ラウ、行くよ」
「あ、うん」
お父さんの声が聞こえて、僕はその子から目線を外した。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
