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(Raul side)
「いい子にしてたら帰ってくるから」
.
その言葉を、ずっと信じてた。
信じさせられてた。
だけど、あの人は帰ってこない。
いつまで経っても帰ってこない。
僕は部屋を飛び出し、その人を探した。
歩いて、歩いたら、見つけた。
「ママ！」
その人は一瞬だけ僕に目を向けた。
ただ、それだけだった。
その人はすぐ僕から、隣を歩く知らない男の人に目線を変え、そのままどこかへ行った。
「何で...？
何で置いてくの...？」
ひたすら泣いて、泣きじゃくって、公園の端にうずくまった。
自分の心の内を表すかのように大雨が降り注いで、それでもひたすら泣き続けていた時。
.
「どうしたの？」
.
声を掛けてくれたのが、お母さんだった。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
