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「明日からの夏休み、気をつけて過ごしてねー」
そしてもうそんな時期になった。
部活に行く準備をしていると、「Aさん」と横から声がした。
「ラウールくん」
「...あのさ」
「ん？」
「夏休みのどっかで、...一緒に勉強とかしない？」
「えっ？」
「...あ、ってお姉ちゃんがそう言ってて！それでラウも来る？って言ってたから、」
ラウールくんが慌てだしたのが何故かは分からないけど、可愛く思える。
「うん。先輩とラウールくんがいいなら」
「も、もちろん！じゃあ、またね」
夏休み前最後に見たラウールくんの顔は笑顔満開だった。
.
「深澤先輩」
その日の部活、深澤先輩に声を掛ける。
「おーAちゃん！」
「私夏休みも、先輩とお会いしたいです！」
「えー嬉しい！私も！」
「よかったです！ラウールくんから聞いたので」
「ラウから？」
先輩は疑問を浮かべている気がする。
でもすぐその表情は消え、代わりにニコニコの笑顔が出てきた。
「なんか楽しみになってきた。ラウのことよろしくね」
「えっ？はい」
深澤先輩と離れる。
そのうち無意識に、２年生数人と楽しげにしている、新部長となった阿部先輩に目がいく。
見ているだけで胸が弾むんだ。
するとふと先輩に気付かれて、慌てて目と気を逸らし楽譜を開く。
.
「Aっ」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
