僕らの物語(黄×紫) (ページ46)

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(You side)

照のことも、ふっかのことも、

私は最初、友達としか思っていなかった。

だけど２人の想いを知って、友達だなんて感覚は一時、あっけなく潰えてしまった。

一般的に男女の友情と表されるそれが実は成立していなかったことは、よくあるのかもしれない。

だけど、照との小さい頃の思い出を無かったことにしたり、

ふっかの本音を知らないままでいたり、

そうならなくて良かったと今は思う。

恋を知らなかった私が知れたきっかけになったのが、この２人で良かった。

当然恋なんて、私１人でできるものじゃない。

私だけの物語じゃない。

照とふっかがいなきゃ成り立たなかった。

私の物語じゃない、私たちの物語。
それに２人への敬意を込めて、男性的な主語に変える。

これは、僕らの物語だ。

.

"授業終わった？"

照からのメッセージを返し、彼が待つ場所へ向かう。

「え、ふっかもいんじゃん」
「そんな言い方ねーだろー、待ってたよお姫様」
「うわあ...」
「ふっか変わんねえな...」
「２人ともドン引きしてんじゃねえかよ！でも残念だけど照、途中で俺らと別方向になるのは我慢しとけよ」
「ふっかがいる時は別方向だろうがAん家まで送る」
「ありがとー照！」
「おい俺全然信用されてねえじゃん！」

色々あったけど、こうして３人で居れるようにしてくれた照とふっかには感謝しかない。

私が出来るのは、

いつもふざけてるけど優しい親友と、

私を一番に思ってくれる大好きな人を、

大切にすることだけだ。