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家に帰って部屋に入る。
何気なく勉強机の椅子に座ったけど、
アルバムが開かれたままだった。
「...」
連絡するのは迷惑かな。
今さら、と思われるんだろうか。
"話したいことがある"
それでももう、そう文字を打っていた。
既読がついたのを確認してからまた打つ。
"ここ、来れる？"
.
集合場所に行って、相手の名前を呼ぶ役目は私だった。
「...照」
気付いた彼。
私はそのまま歩み寄って、自然に近くのベンチに２人座る。
私と照の目の前にあるのは、
通っていた幼稚園。
庭で遊びまわる園児たちの何百倍も私たちは静かだった。
「ごめんね、遠いのに来てもらって」
「ううん。全然。
それより俺のほうこそごめん」
「え？」
「花火大会の日、急にあんなことして悪かった」
「...私、照と同じ幼稚園だったんだね」
「...え、」
「アルバム見て思い出したよ。照がずっと話してた初恋の子が、...私で、
...私も、照が初恋だったこと」
「うん」
照が幼稚園を真っ直ぐ見つめて言う。
「ここでAとずっと遊んでた。本当に楽しかったし、だから転園すんのがめちゃくちゃ嫌だったことも覚えてる」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年8月22日 20時
