僕らの物語(黄×紫) (ページ33)

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「じゃあね！」

栞と翔太、私とふっかで同じ方面。

楽しそうに肩を並べる２人の後ろ姿を見送ってから、ふっかと歩きだす。

.

「...」

.

「...A」

「ん？」

ふっかが足を止めて、私も思わず止まる。

「この前は、本当ごめん」

深く頭を下げる彼。

何秒も何秒も。

「本当に...本当にごめん」

「...もういいよ、それは」

そう返して、ふっかとゆっくりまた歩きだす。

すると、彼の綺麗な手が、私の手を引くように掴んだ。

.

「...ふっか？」

「分かって欲しい。魔が差してやったわけじゃないってこと」

「...」

「俺はAのこと、ずっと女の子として見てる」

手と心が熱くなる。

「俺のこと全くそんな風に思えないんならいいんだけど...でもほんのちょっとでも思ってくれんなら、いくらでも待つから」

「ふっか...」

「お、惚れた？」
「ねえ、今言うことじゃないでしょ」
「そっかそっか」

いつもの雰囲気に戻したふっか。
申し訳ないけれど少し笑ってしまった。

そんな私に微笑んでくれた彼と、また帰り道を歩きだした。