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ふっかは高校からの同級生。
それでも、それより前から一緒なんじゃないかと思うぐらいの存在。
高校以前のアルバムを開けても、その中に当然彼はいない。
中学も、小学校も、幼稚園も。
「...ん？」
それは、幼稚園の卒園アルバムを見ている時だった。
小さくてあどけない当時の私。
その隣によく映っている、一人の男の子。
何枚も何枚も一緒に映ってる。
近くの畑に組のみんなで行ったのか、苺を持ってピースしていたり、
泥団子を作って共にカメラに視線を向けている写真もある。
でもその彼は、年中に上がった途端、アルバムからいなくなっていた。
そしてその彼と映った写真の横に、先生が書いたコメントが目に入った。
.
"なかよしのひかるくんも！２人はいつもいっしょにいます"
.
私はアルバムを持って部屋を飛び出す。
「ねえお母さん」
「ん？」
「...この子、覚えてる？」
.
「岩本照くんでしょ？確か年中上がる前に引っ越した、Aの幼稚園の同級生の」
「...覚えてるんだ」
「覚えてるわよ。だってAも照くんも、お互いのこと大好きだったんだもん。Aは覚えてなかったの？」
「...うん」
「えーそうなの。じゃあもしかしたら、照くんが引っ越したのがショックで逆に覚えてなかったのかもしれないね」
「そんなことあるの？」
「人って、とってもショックな出来事があると、そのこと考え続けたら健康に害が出るから忘れようとすることがあるの」
「そうなんだ...」
「まあ滅多にないんだけどね。小さかったし余計ショックだったんじゃない？アルバム見たら照くんのこと思い出したの？」
「うん。思い出した」
"...AA、さん"
自己紹介した時、確かめるように私の名前を呼んだのも、
あの日、本当に覚えてない？って言ったのも、
今なら全部分かる。
私の初恋は、
照だったんだ。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年8月22日 20時
