3 ページ3
「えー俺だけ席離れてんだけど」
「残念だねふっか」
「バイバイふっか」
「バイバイとふっかくっつけて一つの単語にすんな」
「ねえ栞と翔太早く行こ？」
「A、スルーは一番きついって」
そんな会話も程々にそれぞれの席に分かれる。
私の近くでまた何やら言い合いをしている栞と翔太。
お互いがお互いに片想いしていることは私とふっかは知っていて、私は栞に、ふっかは翔太に相談を受けることが多い。
高校の時からあんな感じだけど、いつくっつくんだろ。
自分自身の恋愛にはあまり興味を持っていない私は、それが一番気がかりで楽しみでもあって。
「...だよねA？」
「...え、ごめん何？」
「もうー聞いてなかったの？」
「Aあれだろ、ふっかのこと考えてたんだろ」
「なわけないでしょ」
「私Aとふっかもお似合いだと思うんだけどなあ」
「分かる、そうなったらめっちゃ面白いわ。付き合ったら？」
「トーン軽すぎ。あと無いし」
こんな見当外れな所では息が合う２人も微笑ましかった。
.
入学式が終わって会場を出る。
席の近かった私たち３人はふっかを待つ。
「あ、いた」
でもその彼は、ついさっき仲良くなったのだろう男の子と楽しそうに話している。
「流石だわふっか。あんな強面な奴ともう打ち解けてるし」
「人見知りとか言ってるけどコミュ力高いよね」
強面な奴と翔太が呼んだ彼を何も考えずよく見てみると、確かにそんな雰囲気が漂っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キキララ
| 作成日時：2022年8月22日 20時
