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(Fukazawa side)
「ふっか!ふっか!」
「おー栞。あ、デートどうだった?」
大学のフリースペースでゆっくりしてたら、栞が俺の元に走ってきた。
何で慌ててんだろ。
「どうした?そんな楽しかったんだ?」
「いやその日のことなんだけど...ふっか、落ち着いて聞いてね」
「栞のほうが落ち着けよ」
そう言うと栞は少し落ち着きを取り戻して、
「...あのさ」
むしろ、静かになりすぎた気がする。
「何?」
.
「見たんだ。
Aが男の子と2人でいるとこ」
「...え?」
「それも、女子同士とかカップルが行きそうなスイーツのお店。
男の子のほうが分かんなくて、翔太とも誰だろうねって話してたんだけど」
Aが、
デート?
「あーでも、一緒にいた男の子、どっかで見た事あるんだよね」
「...どっかで?」
「うん。だから誰だろうねってよりは誰だっけって感じ」
「...栞と翔太はさ、2人に話しかけなかったの?」
そう聞くと栞は「うん、なんか状況的に...」と答えた。
スイーツ店デート、いやデートなんて言葉使いたくないけど、あのAがそんなことすんの?
自分の初恋も覚えてないような女の子なのに?
「ふっかに隠すの良くないと思って伝えなきゃって。私の相談も乗ってくれてるし」
「...サンキュ」
「でも、なんかごめん」
「栞が謝ることじゃねえよ」
Aが、
そんなわけない...よな。
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作者名:キキララ | 作成日時:2022年8月22日 20時