１７．偶然 ページ19
日曜日、学校は休みなのにも関わらず私は学校へやって来ていた。
家だと母がうるさいし、他にも誘惑が多いせいでどうも勉強に集中できないからだ。
…と言っても、学校にはそう長く滞在できるわけじゃない。
昼過ぎに学校を出た私はカフェで少し軽食を食べながら勉強し、文房具屋さんへと足を運ぶ。
ちょうど新しいシャーペンが欲しかったところだ。あと赤ペンのインクがそろそろ切れそうだったから。
(あ、このシャーペン可愛い…)
シャーペンと赤ペンを手に取って立ち上がった私は、こちらを見つめる1人の男の人に気がつく。
スラッと伸びた身長、赤と白の髪の毛。
私は今どんな顔をしただろうか。
きっと酷い顔だったに違いない。
気付かないふりをしてそのままレジへ行こうとするけれど、
「A」
『人違いです』
「なんでそんな嘘つくんだよ」
雄英の制服を身にまとっている私は誤魔化せるはずもなく、轟くんに呼び止められてしまった。
見慣れない私服姿の彼が私に歩み寄ってきて「なんで制服着てんだ？」とあざとく首を傾げる。
…そこじゃないよね！？いやそれもそうかもしれないけど！！なんでこんなに私は轟くんとエンカウントしなきゃいけないんだ！！
(やだやだ、知り合いにでも見られたらどうすんのよ…！)
この目立つ紅白頭が憎い。
せめて黒髪だったら仮に誰かに見られても人違いだと言い訳できるのに。
『学校の図書室の帰り』
「なんかお前いっつも勉強してて……真面目だな」
『よく言われる』
在り来りな言葉をかけてくる彼に背を向けて会計を済ませる。
そういう彼こそ勉強もしないでこんな街中ほっつき歩いて…………
『…1人で何してたの？』
「お母さんの見舞いに」
変なことを聞いてしまって気まずい空気になってしまうのが怖い私は、彼のお母さんのことは詳しく聞かないでおくことにした。
彼の父がNo.2ヒーローだということは知っているけど、彼の母のことは何も知らないからね。
『そっか』
それだけを言って店を出る私についてくる轟くん。
『…え、何も買わないの？』
「いや、元々用事は無かった。Aが見えてなんとなく入っただけだ」
『はあ…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 718人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優兎 - いろいろヒロアカの小説って神作品多いよね(褒めてる) (2021年10月17日 22時) (
レス) id: 0546f8eab3 (このIDを非表示/違反報告)
涼宮(プロフ) - シズク。@ｲｪｲ！さん» ありがとうございます！ほんと羨ましいですね〜！百ちゃんとお友達！ (2021年10月3日 19時) (レス) id: a21cd312f2 (このIDを非表示/違反報告)
シズク。@ｲｪｲ！ - めっちゃおもろい！そして百ちゃんと友達っていいな〜夢主！ちょっと立場変わってくれないかn((殴 更新、頑張ってくださいｯｯ！ (2021年10月3日 18時) (レス) @page16 id: 7ae2ca5e7c (このIDを非表示/違反報告)
涼宮(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます！続きも後々公開していくつもりなのでよろしくお願い致します！ (2021年10月3日 18時) (レス) id: a21cd312f2 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - とても面白くて一気読みしちゃいました！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2021年10月3日 18時) (レス) @page16 id: 7d36b12761 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
