【男主】あー...えっと今吉の弟です... (ページ18)

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p13(新)タイトルなんだったっけページ18

[作者は大まかな内容しか覚えてません]

俺らは階段を降りきり

扉の前にいる

『火神、同時にこっちのドアに力入れるぞ』

「おう」

右の扉に掌をつけ

アイコンタクトをとる

『いくぞ…せーのっ』

そして掛け声と共に扉を押した

「ふっ」

『んん…』

2人で扉に力を入れ続けるが

やはり開かない

「ダメか…」

『なんか引っかかってるな』

そう言って俺は戸の隙間を覗き込む

すると木の錠前が見えた

その下には錆びて今にも壊れそうな鎖

『火神、その黒い箱から鋸と鑢取って』

多分隙間なの幅的に鑢も入るだろう

「あ、あぁ。鑢ってこれか？」

『ん、そう』

俺は鑢を受け取り扉の隙間に差し込む

案の定鎖には届いたようだ

『火神、上の木の板それで切って』

「おう任せろ」

それから数分

火神は引いては押して木の板を切り

俺はひたすら引いて鎖を切っていった

そして鎖を切り終えた頃

火神の切っている板は

あと半分くらいになっていた

『もう少しで出れるな…』

「おう!」

安堵したのも束の間

ｺﾞﾄﾝｯ

「ん？上で音しなかったか？」

『え？』

耳を澄ます

ｺﾄﾝｯｺﾞﾄｯｺﾞﾄ

何かが転がる音が聞こえる

転がるものなんて一つしか知らない

『まさか、壺が転がってるのか…？』

どちらにせよ

『急いでここ、開けるぞ！』

「おう」

火神に疲れが見えていたが

俺は鑢を素手で持ってたもんだから代われねぇ

火神、頑張ってくれ…

数十秒経った

ｶｼｬﾝっ

背後で聞こえた音に

俺らは静寂の中振り返った

振り返った俺らは

背後のの状況を目の端に捉えた

まず割れた赤褐色の壺

そして

蔵の窓から僅かに差し込む光を

巨体に反射させた

『大…蜈蚣？』

大蜈蚣は俺らの姿を捉えると

少しずつこちらに寄ってきた

「うわぁぁぁ!!」

『火神、鋸渡せ!!』

ダメだ大蜈蚣に気を取られて

聞こえてない…か

クッソ…どうしたら…

『一か、八か…』

辞めてから2、3年経っているが

『あ''あ''っ』

おもいっきり気合いを出しながら

扉に足刀蹴をかました

『よしっ』

大きな音をたてて壊れた扉の外へ

火神のジャージを引っ張り

飛び出す

道があるのが幸いと

振り返らずに

かなりの距離を走った

蔵から10ｍ程離れ

振り返ると蔵の入口を突き破って

出てくる奴の姿が見えた

が、あまり遠くには逃げられない

『仕方ない』

俺は応戦体制に入った