【男主】あー...えっと今吉の弟です... (ページ11)

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p8.5 夢と過去(飛ばしても大丈夫です) ページ11

＿＿＿＿「暗ぇよな」

＿＿「いつも本ばっか読んでるしな」

＿＿＿＿＿＿＿「ホントそれ」

いつも指を指されながら言われた

「先生は心配してるんだ」＿＿＿

「辛いことはない？」＿

「カウンセリング予約しておいてあげたから」

必要ない

構わなくていい

＿＿＿＿「今吉、辛かったら我慢すんなよ」

ありがとう

大丈夫

『俺に構うとまたなんか言われるよ』

＿＿＿＿＿＿＿「そうだな」

やっぱり、お前も離れる許可が欲しいだけだ

＿＿＿「ごめん」

何を謝るんだ

＿＿＿＿「それでも俺は楽しいんだ」

「今吉、いや＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿征と話すのが」

ああ、この時突き放せばよかった

俺の罪だ

俺のせいだ

＿＿＿＿「今吉…ごめん」

嬉しいそう思ってしまったんだ

俺が突き放せば

あいつは傷つかなかった

「今吉、※※が転校してから

元気がなくないか？」

ああ、いつもこの担任は

俺らのことなんか見ないくせに

ここぞとばかりに…

『大丈夫です』

「本当にか？」

嗚呼、煩い

うるさい

ウルサイ

＿＿＿＿「あいつ本の虫じゃん？」

＿＿＿＿＿＿＿「お、マジだ」

＿＿＿「虫は無視～なんつってw」

五月蝿い

＿＿「どうした？いつもの本は？w」

＿＿＿＿「無くしたんだwかわいそーw」

ああ、お前らが捨てたのか

＿「今吉くん、あの…」

はっきり言ってくれ

＿＿＿＿「下のゴミ置き場にこれが…」

＿＿＿「いつも読んでた本だよね？」

女子のイジメにあってた子か

『ああ、ありがとう』

軽く微笑んだが

顔は動いただろうか

家ではやかましいくらいの

優しい兄さんに笑っているが…

それはともかく

少し離れたところから

笑い声が聞こえる

恐らく中身は破かれ

落書きされているだろう

そう分かっていても

本を開いてみる

ああ、やっぱり

結構気に入ってたのにな

ハンス・クリスチャン・アンデルセン

帰り道に畑の方で

近所の方が焚火をしていた

このボロい本も投げて燃やしてしまおう

そう思って本を振りかぶる

「おい」

兄貴より低い声とともに

左手が軽くなる

振り返って見えたのは

特徴のある眉毛だった

「お前今吉さん…今吉翔一の弟だろ」

今まで何も言われなかったのに

初対面の先輩に聞かれた

偽る必要もない

『はいそれが何か？』

その時、初対面だったんだ

「男バスの花宮真だ」