33話 ページ33
.
あれから数日が経った。両親や禪院家からは何も連絡は来ていない。五条悟の指示で私は高専で仕事をしていた。
「そういえば、高辻さん、退職願取り消されたんですね」
「え」
私を置いて、伊地知さんは喜んでいる。退職願を出したことすら今の今まで忘れていた私は、この状況についていけなかった。
「A、ちょっといいー?」
「何の用ですか。」
「あれ、伊地知泣いてんの。男の涙に需要ないよ?」
なんて、余計なこと言うから軽く腕を振る。私のグーパンチはお尻に当たったようで「いやん♡」と喜んだ。
「それよりも、私の退職願取り消されてて」
「あー、それ僕」
「え?」
「それ含め、話があるからちょっといい?」
「後でじゃダメですか?」
「どうせ暇でしょ」
「その目は飾りですか。」
彼に手を引かれて、書類が山積みのデスクを後にした。
.
「来週にでも高辻家を呼んで、正式に再縁しようと思うんだ」
「それ、五条家にメリットある?」
「もちろん。そのために、色々と準備しててね。Aにもお願いしたいこともあるんだ。」
「何すればいい?」と見上げれば、彼は歩みを止めて私と対面した。
「あの時、君が僕を広い世界へ連れ出してくれたから。今度は僕が君を、新たな世界へ連れ出す番だと思うんだ」
目隠しを外せば、さらりと白髪が額を覆う。あの時と変わらない輝く瞳が私を見下ろした。
「この先の人生、僕の隣で歩んで欲しい」
彼の手を握って、私は深く頷いた。
大きな温かい手が私の頬に触れる。
その心地よさに目を細めれば、唇が重なった。
「初めて会ったときから変わらず、好きだよ」
ラッキーアイテム
五条悟愛用の爪切り
661人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ただの本名;只野です。(プロフ) - すずさん» 告白...?こまぁじゃあぁ、これからもお付き合いしますね。 (8月9日 10時) (レス) id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ただの本名;只野です。さん» 只野さんコメントありがとうございます!これからもお付き合いください‼ (8月8日 22時) (レス) id: 7d5bd94009 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本名;只野です。(プロフ) - 伊地知−−ーー!うわぁぁぁぁ絶対、今顔赤いわーーーー恥ずかしいーーー⁉ってなる作品ですね。 (8月8日 21時) (レス) @page24 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - みょんさん» みょんさんコメントありがとうございます!笑ってもらえて良かったです!これからもお付き合いください!! (2022年12月21日 22時) (レス) @page10 id: 6a8f9b8946 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 伊地知をサンドバッグにするところで吹きましたw 超面白いです‼ 更新頑張ってください〜! (2022年12月21日 7時) (レス) @page9 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すず | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/chirin_rin_rin
作成日時:2022年12月14日 22時