12話 ページ12
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高専まで少し距離がある。仕方なく私は口を割った。
「名前も知らない男の子が好きでした」
「へー、なんで?」
「その子を私は振り回しました。でも、その子は目を輝かせて付き合ってくれたんです」
「ふーん。今も好きなの?」
「それは……ノーコメントで」
「で?その後どうなったの?」と深堀してくる彼。
「人の恋愛事情をしつこく聞くのは、セクハラですよ」
「呪術界にそんな概念ありませーん」
入口の近くで停車させ、「到着しました」と声を掛ける。駄々を捏ねるかと思ったが、彼はすんなり車を降りた。
見送るために、私も車を降りる。
「お疲れ様です」
「おつかれサマンサ」
私と向き合った彼は、じっと動かない。
「どうされました」
尋ねれば、彼は私との距離を詰める。その距離感が心地悪くて後ずされば、車体と背が当たった。
逃げ場を無くした私。彼は、さらに追い詰めるように、車に手をついた。
「その子は嬉しかったんだよ」
「え?」
「知らなかった世界を見れて。それから、」
顎を持ち上げられる。私は驚きで、彼から目が離せなかった。
「Aが、かわいいから」
いったいどれくらいの時間が経ったのだろう。何も言うことができず、抵抗することもできなかった。
「たぶんね!」
おどけたように言うと、彼は去っていった。
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ただの本名;只野です。(プロフ) - すずさん» 告白...?こまぁじゃあぁ、これからもお付き合いしますね。 (8月9日 10時) (レス) id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ただの本名;只野です。さん» 只野さんコメントありがとうございます!これからもお付き合いください‼ (8月8日 22時) (レス) id: 7d5bd94009 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本名;只野です。(プロフ) - 伊地知−−ーー!うわぁぁぁぁ絶対、今顔赤いわーーーー恥ずかしいーーー⁉ってなる作品ですね。 (8月8日 21時) (レス) @page24 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - みょんさん» みょんさんコメントありがとうございます!笑ってもらえて良かったです!これからもお付き合いください!! (2022年12月21日 22時) (レス) @page10 id: 6a8f9b8946 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 伊地知をサンドバッグにするところで吹きましたw 超面白いです‼ 更新頑張ってください〜! (2022年12月21日 7時) (レス) @page9 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/chirin_rin_rin
作成日時:2022年12月14日 22時