先輩に餌付けされてます【七海建人】

13話 ページ13

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調査の帰り道に立川に降ろしてもらった私。激しい人の流れに巻き込まれないように、壁沿いに立っていた。




「あれー？ひとり？」






「ねぇねぇ！」と覗き込まれ、私に話かけていたのだとようやく理解。目の前の２人の男性に首を傾げた。




「何してるのー？」



「人を待ってます」



「寒いから、中入って待とうよー。奢るよ？」






そういって指したのはスタバ。ホイップたっぷりのフラペチーノは甘くて美味しい。カロリーと値段が比例しているそれを奢って貰えるのは、普通は嬉しいのかもしれない。


でも＿＿＿





「心配かけちゃうので、ここにいます」



「きっと、風邪ひいちゃうか心配してるよ！だから行こ！」





手を引かれ、店内に続くエスカレーターの前に連れていかれた。どう逃げようか考えながら乗り掛けたその時、誰かの腕が腹部に触れ、物凄い力で後ろに引っ張られた。



引かれるがまま、ぶつかった身体。ビクリともしない頑丈さと、片腕で引き寄せる力の強さに驚いて顔をあげた。





「私の恋人に何か用ですか？」





鋭い目つきで睨みつけるのは、七海さん。男性たちは小さく悲鳴を上げ、人混みに紛れていった。






「待たせたあげく、強引なことしました......すみません」



「いえいえ、助けてくれてありがとうございます！」




上を向けば申し訳なさそうに眉尻を下げている彼。ようやく七海さんに抱かれてる状況を理解した私は、急いで離れた。





「御詫びと言ってはなんですが、このままスタバ飲みませんか？」



「七海さんと飲みたいなーって思ってました！」





「嬉しいです」と伝えれば、「私もです」とやっと笑顔を見せてくれた。

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