人違いで死にかけた。【五条悟】

37話 ページ37

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「なんでムスッとしてんの。これ食べて機嫌治して」と焼きそばを渡された。いや、別に怒ってないし。




「何で否定しなかったの」




「ん？彼女って言われたこと？」





美味しい焼きそばにテンションが上がったが、なんか癇に障るため箸を置いた。単純な奴だと思われたくない。




「否定するほどの事でも無いなって」




「ちゃんと否定してよ」





『彼女さん、正直で可愛いね』
『でしょ？おじさん見る目あるじゃん』



もし、私が素直で純粋な女だったなら、五条悟が自分のことを好きだと勘違いしていたに違いない。そして、勝手に舞い上がり告白し、フラれる───。思わせぶりな態度をとる人間は嫌いだ。







「何が不満なのか知らないけど、大盛りにしてもらったんだから結果オーライでしょ！」




「……もう、それでいいや。」





コイツに何を言っても伝わらないだろう。苛立ちを鎮めるために、焼きそばをかき込んだ。





「いつか、アンタの元カノ達に刺されそう…」




「大丈夫だよ。硝子が治してくれる。」




「痛いもんは痛いんだよ！」

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