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私の前に座った狗巻先輩は両手でマグカップを持っている。口に運んだ後の顔は、花が飛んでいるように見える程緩んでいて、可愛らしい。
“初授業はどうだった?”
そう問われ、顔が引き攣るのを感じた。
“とても難しかったです”
“ついていけた?”
“たぶん”
嫌だ。これ以上は聞かないで欲しい。少しでも弱音を吐けば止まらなくなる。
手は震えるし、呼吸もしにくい。なんだか泣きそうになってしまい、俯いて唇を噛み締めた。
背中を摩られる感覚に顔をあげれば、いつの間にか横に居た狗巻先輩。
“がんばったね”
その文字で、私の涙腺は崩壊した。机に顔を伏せて、涙を袖に吸収させる。
皆近くに居てくれるのに、拭えない孤独感。
まるで「大丈夫だよ」とでも言うように、先輩はずっと摩ってくれた。
だから、それに甘えて私は泣き続けた。
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こんぶ
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すず(プロフ) - はたけさん» 読んでいただき、ありがとうございます。そう言っていただけて、嬉しいです! (2023年3月14日 22時) (レス) id: 9baf239d9c (このIDを非表示/違反報告)
はたけ - 神だこれ (2023年3月11日 6時) (レス) @page18 id: 83421e9837 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - のむさん» ありがとうございます。そう言っていただけて、うれしいです! (2021年5月1日 23時) (レス) id: 8d971bb145 (このIDを非表示/違反報告)
のむ - とうとい (2021年5月1日 23時) (レス) id: af9d902a97 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 雪華様だぁさん» しゃけしゃけ!ツナマヨ! (2021年2月6日 19時) (レス) id: aba39fa972 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2021年2月4日 18時