胃袋掴んでしまいまして

小さじ15 ページ15

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じりじりと近づいてくる二人。






「冨岡先生、助けてください！」







「もう少し堪えてくれ」








水を補給してる冨岡先生は不器用な様で、中々はめられないらしい。









「無理です！透けちゃいます！」








宇髄が打った水が額に当たり、さらに一歩下がる。しかし、そこに足をつく場所はなく、私の身体は、宙を舞った。








もがかず、焦らず、息を止める。








そうすれば、自然と体が浮かんでくる。









筈なのに、衣服を纏った身は想像以上に重たく、中々浮かばない。






苦しい。







ついに、息を吐き出してしまった時、









逞しい腕がお腹に回され、水面に顔が出た。








「ゲホッ……ゴホｯ……」






「大丈夫か。」






「鼻入った!!痛いぃ！てか、深すぎじゃん！？」









「大丈夫そうだな。」と離され、また沈みかけた。







「助けてくれて、ありがとうございます」







「テメェら二人とも透けたから負けなー！」








「はいはい。私たちの負けですよー。」









平泳ぎをして、壁に近づく。「掴まれェ」と手を伸ばしてくれる不死川先生にありがたく掴まった。








「何で宇髄は助けてくれないの！？」







「わかったよ。ほらよ、」






二人の手を掴んで、私は両足を壁についた。









「掛かったな！！」








ターンをするように思いっきり踏ん張って引きずり込む。









大きな水飛沫が２つ上がった。

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