斬ってください鬼狩り様〈完結〉

六粒 ページ6

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門の前に見たことがある後ろ姿。







不死川さんだ。







怖いし、気まずい私は早足で通り過ぎる。







「オイ。無視するとは、良い度胸だなァ」







手首を捕まれて、口から心臓がまろび出るかと思った。




不死川さんは舌打ちをし、手首を離すと私に背を向けた。




少し震える指で、大きな背中に触れる。




「(風柱様とはどなたですか？)」




「風柱は俺だァ。」








貴方、風柱っていうのね！




三人娘の嘘つきっ...！









前を歩く不死川さんの羽織を掴み、「(家あっち)」と真逆を指せば、「早く言え！」と叩かれた。









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調度良い速度で前を歩く不死川さん。




正直、横を歩かれるのも後ろを歩かれるのも、居心地が悪かっただろうから助かった。







ただ、ひとつだけ不思議に思うことがある。




足の長さからして差ができるはずなのに、私達の距離はずっと同じだ。







もしかして、私の歩く速度に合わせてくれているのでは？








そんなこと思うのは、都合が良すぎるだろうか。

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