十五粒 ページ15
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不死川さんの料理は、野菜が多くて食べやすく、おいしかった。
......と思う。
正直、座っていると睡魔に襲われ、食べきることで精一杯だった。
せめて片付けは と思ったが、当然のように追い返され、布団に押し込まれた。
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障子から射し込む光で目が覚めた。
朝食こそは私が作らなけば。
そう思い、起き上がろうとすれば痛みが走った。
初めて木刀を振ったことで、全身が筋肉痛になっている。
私は、這うように布団を出た。
「随分とへっぴり腰だなァ。」
振り返れば、着流しの前を大きく開けてる不死川さん。
一瞬、笑っていたのは多分気のせい。
「朝飯 食うかァー。」
髪の毛を掻き揚げながら台所に向かう後ろ姿を、慌てて追った。
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重く痛い身体に鞭を打ち、木刀を振った。
もし、声が出るなら、きっと金切り声をあげていただろう。
今日もボロボロになって、立ち上がれなくなった時、稽古は終わった。
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「戸締まりしっかりしとけェ。」
夕食を済ませると、不死川さんは刀を携えた。
これから、お仕事だそうだ。
「(お気をつけて)」
お見送りすれば、あっという間に夜の町に溶け込んでいった。
「(今日は早く寝てしまおう...)」
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すず(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメント・評価ありがとうございます!モチベ上がりまくりです!これからもお付き合いください! (2020年8月11日 22時) (レス) id: 32f4d66fed (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - 素晴らしい作品をありがとうございます!最高!眼福です!評価が一回しかできないのが辛い… (2020年8月10日 16時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 玲華@パピコ同盟さん» ありがとうございます!お陰様で殿堂入り果たしました!! (2020年7月31日 0時) (レス) id: cbf19fa8a4 (このIDを非表示/違反報告)
玲華@パピコ同盟(プロフ) - 高評価100票目は!もらいました!!← (2020年7月29日 16時) (レス) id: d81ad5e1bd (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はなさん» コメント嬉しいです!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!! (2020年7月24日 22時) (レス) id: 9b1477a44b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2020年7月19日 0時