素直になれない女の子はボーダーにスカウトされている【ワールドトリガー】

13こ目の偽り ページ15

『……誰？』


後ろに下がりながら話かける
いや、別に逃げようなんて考えてないよ？？ただ、近いなぁーって思ってただけで…！！


「ん？俺は迅悠一、ボーダー隊員だ」

ニコリと、人の良さそうな微笑みを浮かべる
私はそれが裏があるようにしか思えない…


『んと…ジン、さんが私に何の用、』


言い終わる前にジンさんに腕を掴まれた
ジリジリと下がっていた足が止まる


『ちょ！！？や、あの！離してくれません…！？』

「…なるほど、君はボーダーに入るよ」


そう言い終わるとジンさんは腕を離してくれた

…は、何この人。笑顔が怖いし、何か意味不明なこと言ったし
私がボーダーに入る？そんな訳ない、私が親友を裏切る訳ないじゃん

…てか、なんで触った。触る必要ないし


『…唐沢さん、何ですかこのチャラ男。私、こういう人無理なんですけど』

「なっ！！？」

「くっ…すまんね、ただの確認のためさ」


私が言うとジンさんはショックを受け、唐沢さんは笑ってくれた
へぇ、あんな風に笑うんだ、唐沢さん

やっぱり付き合うなら年上なのかな、とどうでもいい事を脳裏を掠める


『なんの確認なんですか….。もういいですよね、それじゃ』


「「送ってくよ」」


歩き出した瞬間、同時に発せられた言葉

少し嬉しかったから、送ってもらうことにした


『……ありがとう、ございます』


やはりお礼を言うのは慣れてない
前まではそんなことなかったのになぁ…




「なーんだ、ツンツンかと思ったらツンデレじゃないですか、唐沢さん」

「ふっ…いいキャラだろ？」



『そこの2人！何ですか、さっきからコソコソ！！送ってくれるんですよね！』


私が照れ隠しで前を歩いていると、後ろから話し声が聞こえた
内容までは分からなかったが、私にとっていいことじゃない事は何となく分かったため、話を中断させた


「…そうですね」

『？？何か言いました、ジンさん』

私の声かけで、2人共長い足を使って直ぐに私の近くに来た
やっぱり嫌がらせか…！！？

そんな事思っていると、ジンさんはニヤリと笑って私に向かい言った





「君はボーダー隊員に向いているって話だ！」


『な、なんですか、それ！！私は入らないって言ってるじゃないですか！！』




ジワジワと罠にはまっているA…それはいい事なのか、悪い事なのか
それは迅にも分からない

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