【地縛少年花子くん】ちょっと人より運が悪くて妖力が強いだけですけど？ (ページ13)

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拾話目ページ13

まあ。嘘だけどね
妖力があるのは間違いないけど、払い方なんて知らないし知りたくもない

《な、何故貴様がその構えを知っておる！！！それは……っ！！！！》

『…ねぇ、これでも私のお願い聞いてくれないの？』

適当にやった構えだけど、本人には見覚えがあるみたい。まあこれで信憑性が増したからいいや

構えながら視界の端で花子さんを捉える
見るからに、どうやって彼女を追い払うか考えているようだ。しかし、私が近くにいるせいで迂闊に攻撃が出来ないようで、かなり私を睨んでる

…早く退けって事かな

まあ退きませんけど。

先程花子さんから聞いた話だと、彼女から取った鱗で決まりだ。あと1枚彼女から貰い、それをヤシロさんの気になる異性に飲ませれば、元の体に戻る

だから

『…お願い。綺麗な貴女を消したくないの。私の話を聞いて』

ホロホロと涙をこぼす

《……お主、どこかで》

ボソリと呟くと、彼女はため息をついた

《わかった。祓われては敵わんからのぅ。お主に免じて話を聞いてやる》

ふっと力を抜いた所を見届けると、私も構えを解く

花子さんもゆっくりと力を抜いたところを見て、話をはじめる

『実はね、縁結びの鱗？だっけ……。まあそんなそうな名前の鱗のひとつがね、消えちゃって。だから、貴女の鱗をひとつだけ欲しいの』

ね？と、花子さんを見ると、彼女の方を警戒しながらも状況を説明してくれた

「…そこの女の人が鱗のひとつを誤って飲んじゃってね。なぜか呪いが効かなかったんだ。だから、もうひとつ貰おうってその人が言い出したってワケ」

《……うむ。鱗は構わん。しかし、そこのお前に呪いが効かぬと？》

あー…やっぱり気になっちゃうよね。
私も確証はしてないから曖昧なんだけど、いいかな。

『自分もよく分からないけど…。多分、妖力が強すぎるんじゃないかな、と。だから、危険な呪いなどは弾かれるんだと思う』

そう言うと、花子さんと人魚は考える素振りをした

でもそんな時間は要らないので、早速鱗をもらう

『それじゃあ、鱗1枚もらってもいいかな』

《まさか、妾たちを滅ぼした祓い屋……ん？良いぞ。ほれ》

私が取りやすいように体を向けてくれた

そうして鱗を1枚ゆっくりと取った