仇話目 ページ12
《…精々可愛がってやろう》
そう言ってザバァンッと出てきた人魚
どこか見たことあるような気がする
…そう、あの寂しい海の中に居た人魚に似ているんだ
『…ねえ』
《?なんだ貴様、妾の前に立つでない!!!》
手の代わりの鰭で私を払った
だが、それをものともせずに避け、人魚の目の前に立つ
「っちょ…!!!危ないから離れなよ!!」
花子さんが焦ったような声で私に言う
でも離れたら話せないでしょ…??
チラリと花子さんの方向を向き、またすぐに人魚と向き合った
彼女はさっき私が避けたことに驚いたのか目を見開いている
《っ…!!!き、貴様ぁ…!!!》
『ねえ、貴女にお願いがあるんだけど…いいかな?』
花子さん達との態度とはコロっと変わり、微笑みながら柔らかい声で話す
「…は?」
《……先輩?》
《な、なんじゃ…!!そのような甘い声で惑わそうとしても、そうは、!》
ビクリと体を震わせ、頬をほんのりと染めた彼女は見るからに狼狽えていた。少し申し訳ないと感じながらも、これからの事を考える
『そっか…。お願い聞いてくれたら逃がしてあげようとしたのに。仕方ないよね』
落ち込んだ顔をしながら両手を合わせる
正直、めっちゃ恥ずかしい
ヤシロさんのためと言えど、これは恥ずかしい
《!!?!?》
しかしそんな私の感情など知らない彼女は、私の構えに心当たりがあるのか顔を強ばらせた
『私、生まれつき妖怪が見えたの。妖力が強いって事かな?
だから……』
ごくりと、誰かが唾を飲み込んだ音が響いた
『妖怪を、払えるの』
悲しい顔をしながら彼女を見た
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餅 - 続きをお願いします!!🙏 (3月16日 9時) (レス) @page18 id: 3d4a314219 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 続きみたいです…🥹 (1月14日 14時) (レス) @page18 id: efa5c04296 (このIDを非表示/違反報告)
雪ミだいふく - 続きを読みたい続きを読みたい (7月8日 21時) (レス) @page18 id: 5e4e2058d4 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 続きを…どうか続きをぉぉぉぉぉ!!!!!! (2023年4月6日 0時) (レス) @page18 id: d787175691 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿です - かすたぁどさん» めちゃくちゃ分かるんだけど (2022年3月19日 13時) (レス) @page18 id: 4111556d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユニ | 作成日時:2016年8月17日 19時