17. そのまさかなんです ページ17
初戦の相手が雷門中に決まったという報告は
監督である久遠から伝えられた
ミーティングを終了した丁度その時のこと
「すみません、遅れました…！」
部室に入って来たのは
委員会の関係で遅れていた灰崎と霧野だった
部員が驚いた理由は
帝国学園との練習試合以降姿を見せなかった灰崎が
珍しく部室に顔を出したことだけではない
彼の半歩後ろで
申し訳なさそうな表情を浮かべる霧野
彼女の脚に巻かれた包帯に
全員の意識が集中する
「霧野、どうした？」
「体育の授業でやらかしたんだよ、コイツ」
水神矢の質問に答えたのは
意外にも灰崎だった
愉しげに口元を歪める灰崎に
霧野は静かに溜息を吐く
「高跳びの着地に失敗して、その…」
「…おい、まさか」
「ああ、そのまさかだ。重度の捻挫で練習への参加は禁止。医者に言われちゃ仕方ないよなぁ？」
「試合は3日後だ。今回は霧野ちゃん無しか…」
「…すみません」
「仕方ないさ。兎に角無理をしないこと。いいな」
優しく微笑みかける水神矢に
霧野は大人しく首を縦に振る
前回の練習試合で
霧野と灰崎が大きな戦力になることが証明された
自分勝手なプレーをする灰崎と連携が取れれば
星章の攻撃力は格段に上がるだろう
その鍵となるのが霧野だということに
部員達はそれとなく気付き期待していたのだが…
彼女が怪我をした以上
試合に出す訳にはいかなくなってしまった
「俺も試合に出る気は無い。メンバーが総入れ替え状態な雷門なんて、戦う価値も無いからな」
「おい灰崎、そんな勝手が許されると＿＿＿＿」
「何言ってんのよ、馬鹿」
折緒より苛立ちを露にしたのは霧野だった
彼のネクタイを引き睨みを効かせる彼女の圧に
灰崎でさえ硬直する
そんな様子を見て
早乙女と八木原は微笑ましい思いで顔を見合わせた
「あんたは出るの！」
「はあ？何で俺が…」
「次回私が出たらあんたの活躍の場は無いよ？今回活躍しとかなくてどうするの」
ニヤニヤと悪戯な笑みで
灰崎を見上げる霧野
灰崎は小さな舌打ちをすると
彼女の両頬を掴んで挑発的な視線を送った
「次回もお前の出る幕はねーよ」
18. 霧野さんの苦手な彼(＊)→←16. 佐曽塚に任せトゲ！
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ユナ - 更新頑張って下さい (2019年1月27日 8時) (
レス) id: 9a61cb59d8 (このIDを非表示/違反報告)
天麻 - とても面白いです 更新頑張ってください (2018年8月6日 11時) (レス) id: 59f8b0c9ad (このIDを非表示/違反報告)
しろ@超低浮上(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！全く更新出来ず申し訳ないです…気長にお待ちいただければと思います！ (2018年7月1日 17時) (レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！灰崎かっこいい！鬼道~！更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 22時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
葉咲 桜 - しろ@超低浮上さん» 霧野、霧野、霧野、、、。あー！！霧野！ (2018年5月16日 19時) (レス) id: 788ddd7239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2018年5月7日 11時
