第5夜01ー稲森目線ー ページ19
小屋に招き入れられた俺は
驚きの光景を目にすることになる
「A…っ!?どうして此処に」
一星のベッドで規則正しい寝息を立てるA
その寝顔は何処か苦しげで
肩を揺すろうと伸ばした俺の手は
一星によって遮られてしまった
「起こさないでよ。折角寝たんだから」
「どういうことだよ一星…夜の時間はそれぞれ小屋に居なきゃいけないんじゃ…」
「コイツが小屋に戻る必要は無い。どうせ今夜は何のアクションも起こせないだろうし、俺達が手出しすることも許されない」
「それって…」
「コイツは昨朝の会議で俺に話を振った。恐らく占い能力を持つ占い師か子狐だろ。だがこの馬鹿正直な性格から考えると、仮に占い師だとしたら毎朝何かしらの行動を起こしてくるはず。ってことは子狐である可能性が高い」
「子狐って、確率50%の占いが出来るっていう…」
「ご名答。そして妖狐陣営は"人狼の襲撃によって死ぬことは無い"唯一の役職だ。今この場でコイツを襲っても無駄ってこと」
「でもどうして此処に？」
「占いで俺が人狼であると知ったコイツは、何のつもりか俺を訪ねて来たんだよ。"貴方が人狼ですか"ってな。もしコイツがそのことを周りに話したら、あっという間に俺は追放されるだろ？だから俺の言うこと聞かないと痛い目見るよ、って教えてあげようと思ってさ」
Aの寝顔を見下ろす一星の顔には
愉しげな笑みが浮かんでいた
けれど俺の胸にはざわめきが広がっていく
一星ってこんな奴だった？
痛い目見るよ、ってどういうこと？
「妖狐が誰か吐かせて無駄な襲撃を避けようと思ったんだけど、知らないのかシラを切ってるだけなのか…。ずーっと泣きそうな顔してるのに、1回も泣かないんだぜコイツ。可愛げ無いよなあ」
「…っ、Aに何したんだよ！」
「大声出すなよ…別に何もしてないし。さ、早く行こう。夜が明ける前に」
そう言って一星は颯爽と扉を開ける
「明日人」
弱々しい声に振り返ると
薄らと瞳を開けAが俺の服の裾を掴んでいた
「A…っ！」
「止めて、一星くんのこと。このままじゃ……っ」
「ねえ、早く」
何かを言いかけたAだったが
遠くから聞こえた一星の声に手を離す
そして悲しげに微笑んだ
「行ってらっしゃい、人狼さん」
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しろ(プロフ) - もちゃさん» 前作まで読んでくださったんですね！ありがとうございます。最後までお付き合いいただければ幸いです〜！！ (2021年1月22日 18時) (
レス) id: b4067e14bd (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 前作のもの全部読みました！ 夢主ちゃんのちょっと悪女っぷりが、良かったです！ 更新頑張ってください (2021年1月22日 7時) (レス) id: d4957ad8a3 (このIDを非表示/違反報告)
イナイレ好き - ネコさん» 言いたかった事と意味が違っていたらごめんなさい (2020年4月7日 14時) (レス) id: 573d988362 (このIDを非表示/違反報告)
イナイレ好き - ネコさん» 分かります これの一星君（黒×甘い感じ）がめっちゃ好きです (2020年4月6日 14時) (レス) id: 573d988362 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 更新頑張ってください！ (2019年12月17日 20時) (レス) id: d9ca8b4073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2019年1月10日 0時
