問題児が2年生になった件について【星章学園】 (ページ8)

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07. 星章イレブンの恋愛相談室！ページ8

ボールの片付けを行いながら
嬉々として話を聞くのは音無だ

男子ばかりのサッカー部で
女子部員は彼女と霧野の2人だけ

マネージャーと選手、学年という垣根を超えて
仲が深まるのも自然なことではあるのだが

2人の間で恋愛の話が出たのは初めてのことだった

「あいつと居ると腹立つこともあるんですけど、何だかんだ気は合うし、必要以上に気を遣わなくていいので気楽に付き合えるというか」

「お似合いだものね～！実は付き合ってました！とか言われても驚かないわよきっと」

「いつも距離が近いのはそこそこ気を許してもらえてるからだと思うんですけど…意外と背が高かったり、足が速かったり、手が大きかったり…男子なんだな、って思うことが増えてきて」

「うんうん、それで？」

「…多分、好きなんです。灰崎のこと」

何処か寂しげな霧野の横顔が
音無の胸につっかえて取れそうにもない

女子2人が盛り上がってる最中
男子更衣室でも似たような話題が上がっていた

「灰崎、霧野ちゃんとイイ感じだったじゃーん」

勿論話題の発端は佐曽塚で
一緒に写真を撮っていた現場を目撃したことから
話は一気に進んでいくのだった

「実際さ、霧野ちゃんのこと好きなの？」

「好きだよねーっ…って、灰崎顔真っ赤だけど…」

茶化すつもりだったらしい早乙女が顔を覗き込むと
その頬は真っ赤に染まっていて

星章イレブンのお節介心に火がついてしまった

「灰崎、お前マジか…！」

「僕も応援してるよ」

「ま、灰崎を飼い慣らせるのはキャプテンか霧野位だろう。適任だな」

「ゴチャゴチャうるせぇな！放っておけ！」

「だってこのままだと誰かに取られちゃうかもしれないよ？いいの？」

早乙女の一言に灰崎の動きが止まる

誰にも気付かれないように不敵な笑みを浮かべて
再び語り出す早乙女

「霧野ちゃんモテるから、男なんて選り取りみどりだよねぇ。日本代表メンバーとも仲良いし、帝国の元キャプテンだって居るし…」

「分かった、分かったからもう止めろ」

大袈裟な溜息を吐いた灰崎が
意を決して部員達の方を向く

そして水神矢が居ないことを確認すると
小さく呟くのだった

「…あいつが他の男に取られるのは気に食わねえ」

「それって、つまり…？」

「＿＿＿＿惚れてんだよ、あの馬鹿女に」