問題児が2年生になった件について【星章学園】 (ページ12)

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番外編01. 悪魔の憂鬱ページ12

日本代表になった天使と悪魔と悪魔使いのお話

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日本代表に選ばれた俺と霧野は
星章の奴らに見送られ日本を発った

練習と試合を繰り返す日々の中で
世界を舞台に戦える歓びを毎日のように感じている

オリオン財団の汚いやり方には反吐が出るが
俺達が世界を変える存在になればいい

そんな想いを持って過ごす毎日だが
星章に居た時よりも確実に心配事が増えたのだ

「灰崎てめぇ、俺のベッドに洗濯物広げんじゃねえよ！他人のベッドを私物化すんな！」

「キャンキャン吠えんなようるせぇな…」

1つ目はルームメイトの吉良ヒロトの存在

洗濯物広げる位いいだろうが心の狭い奴め

「てかお前、霧野と同じ学校だよな？」

「それが何だよ」

「やっぱモテんの？」

ベッドから俺の衣類を放り投げながら
問いかけてくる吉良

ちなみにこの質問は日本代表になってから
数え切れない程されてきたもののひとつだ

2つ目は言うまでもなく霧野のことで

「まあな。俺には理解し難いが」

「フィールド上ではおっかねえけど、顔は圧倒的に可愛いもんなあ。マネージャーも悪くねえけど、俺は霧野の方がタイプだわ。野坂とか一星も狙ってるっぽいし、お前もうかうかしてらんねえな」

「あのなあ…」

俺がアイツのことを好きだなんて一言も言ってない

どいつもこいつも
勝手な戯言ばかり言いやがって

「でもアイツ、今スランプだよな」

「…あ？」

片付いたベッドに寝転んだ吉良が
息をするように呟く

スランプなんて
アイツから1番遠い場所にいるような言葉だろ

「うわお前気付いてなかったのかよ…」

大袈裟に溜息を吐いてみせた吉良が
仕方ねえな、と言いたげに言葉を続ける

「この前の試合でシュート外してからだろうな。男と同じ練習メニューこなすってだけでも相当きついはずなのに、自主練もしてるってよ。普段もぼーっとしてるし、体力的にも精神的にもきつい状況なんじゃねえの？」

「…そこまで分かってんならお前が話でも何でも聞いてやれよ」

「阿呆かお前」

心底呆れた様子で俺を見て
これだから女にモテないんだよ、と嘲る吉良

その言葉そっくりそのまま返してやろうか

「仮にも俺は先輩だし、同じチームになって間も無い。俺が出る場面じゃねえだろ。お前が何とかしろ」

霧野が機能しないと
誰が悪魔の面倒見るんだよ、と

最もらしい言葉に背中を押されて部屋を出た