02. 神様への宣戦布告 ページ3
「おっと、通さないですよ」
ヘッドフォンをした帝国のDFが
宮坂の前に立ちはだかる
アイツ俺の指示を無視した上に
煽ってきやがった
ここからどう動くのか見物だな
ゴール付近両サイドには南雲と涼野が控えているが
あの女がそこまで視野に入れているとは思えない
その前にアイツはパスを出せる程の能力が
備わっているのだろうか
答えは否
アイツはパスを出さないんじゃない
出せないに決まっている
「玲名ぁ！こっちのゴールにシュートすればいいんだよね！」
「そうよ…って、貴女まさか」
ボールを高く蹴り上げた宮坂は
軽く助走をつけて思い切り地面を蹴った
気付いた時にはその身体が宙に浮いていて
その動きに誰もが惹き付けられる
まるで走高跳の背面跳びのような美しいフォーム
ボールが落下し始めたのを見計らったかのように
バク転の要領で身体を捻る
しなやかな筋肉がついた足が
軌道を修正するかのようにボールに触れた
更に速度を増したボールが
ゴールポストに向かっていく
「マジかよ…っ!?」
「ここまで上がってきてシュートだと!?」
「＿＿＿＿何っ!?」
南雲と涼野
そして相手のGKまでもがボールの行方を疑った
「いや、流石に入らないよ…！」
「…そうでもないかもね」
中盤では緑川とタツヤが顔を見合わせる
ボールはゴールポストの横を通り抜け
ゴールネットを優しく揺らした
「…嘘だろ」
練習試合の初得点を上げたのは
まさかの助っ人、宮坂A
俺の口からも間抜けな声が零れる
「凄いよA！天才！」
真っ先に駆け寄ったのは緑川だった
勢いのあまり抱き着く緑川を受け止めて
得意げに笑う宮坂
ベンチでは姉さんが大きく目を見開いていて
この場に居合わせた全ての人が
アイツの才能を目撃してしまったのだった
俺は思わずアイツに歩み寄る
腹の中にふつふつと沸き上がる苛立ち
何か言ってやらないと気が済まなかった
「おい」
「…何？ゴッドストライカーさん」
挑発するような口調
エメラルドのような瞳は爛々と輝いている
「シュート1本位で調子に乗るな、素人が」
「最初のシュート外した君には言われたくない」
「今のは偶然だろ」
「そう、偶然。それでも私は君と同じやり方でここまで上がって、シュートを打った」
俺が1人でボール運びをしたように
コイツも同じやり方でシュートを…
「この試合でエースの座、貰ってやるから」
これは紛れもなく宣戦布告だった
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しろ(プロフ) - いづうさん» ありがとうございます嬉しいです……！ (2019年2月25日 19時) (
レス) id: ce9889e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - 興味をそそる書き方にもう敬服しまくりです！！文面が洗練されてて読みやすかったです！つい一気に読んでしまいました…。ガンバレ夢主ちゃん！吉良を見返したれ！ (2019年2月24日 22時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ | 作成日時：2019年2月20日 18時
