4 ページ16
山田太郎。
有明功一。
予想はしてた。
きっとまた、にのが主演した物語の世界に来るんだろうと。
でも、しかし…だ。
「ここだけは…避けたかったなぁ…」
フローリングの一室にでんと置かれた、見覚えありすぎるその球。
漆黒のでかい球体を前に、頭を抱えて座り込んだ。
ぶん…とテレビの電源が入ったような音がして、ゆるゆると顔を上げる。
ミッション…だろうな…。
漆黒の球に、文字が浮かび上がる。
「緊急みっしょん…このかたをつかまえてくだちい」
文字が消え、新たな情報が浮かび上がる。
「…二宮和也、特徴あまのじゃく…」
「好きなもの……櫻井翔」
「え…？」
声に振り向くと、黒いスーツに身を包んだ戦士がいた。
「……玄野、計」
「…待ってたよ……櫻井翔」
手に大きな銃をぶら下げた玄野計が、静かに笑った。
「ミッションは、理解できた？」
「まぁ…でもさぁ」
出てくるんだろ？ねぎな星人やら、田中な星人やら、仏像な星人やら。
「何、怖気づいた？」
怖気もつくわ。映画観たんだぞ。
「………」
「ヘタレ…」
「……あぁヘタレだよ！悪いか！どうせ俺なんか……っ！」
山田太郎のような優しさも。
有明功一のような信念も。
玄野計のような強さも。
俺は何も持ち合わせちゃいない。
「それだよ」
「は……？」
「そのいつになく自分に自信のない態度に、あいつは腹を立てたんだ」
そうか…喧嘩の原因は………。
司会の仕事、かつてのヒット作をリメイクしたドラマの主演、毎週のキャスターの仕事。
精神的にキツくて、心配して食事に誘ってくれたにのに全部ぶちまけたんだ。
どんなに慰めや励ましの言葉をかけてもらっても、なかなか俺の心は楽にならなくて。
『お前には俺の気持ちなんて分かんないんだよ！』
最後にぶつけたのは、…今思えば何て身勝手な言葉。
「あいつは自分を卑下するおまえが悔しくて仕方なかったんだよ。おまえの事、誇りに思っているから」
手にした銃を差し出した玄野計。
「捕まえてやって。あいつが信じるお前の強さで」
受け取ったそれは、ずっしりと重かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼歌(プロフ) - にのかさん» にのかさーん^^コメありがとうございます♪私も実際あったらマジで欲しいです(笑) (2013年7月28日 12時) (
レス) id: 9b61db4220 (このIDを非表示/違反報告)
涼歌(プロフ) - manamoさん» manamoさんお久しぶりです〜^^こちらにもコメありがとうございます♪某仮面ライダーネタ楽しくて仕方なかった記憶があります(笑)妄想は膨らむのですがまだ文にならなくて;お待たせしておりますが、未完だともやっとするのでそのうち完結できればと思います〜^^ (2013年7月28日 12時) (レス) id: 9b61db4220 (このIDを非表示/違反報告)
にのか(プロフ) - このお話好きだぁ♪にの、すっごく嬉しかっただろうな♪ (2013年7月27日 23時) (レス) id: 44be2f347f (このIDを非表示/違反報告)
manamo(プロフ) - こんにちは！いつも涼歌さんの作品拝見しています^^ところで、こちらにある某仮面ライダーパロなのですが、ちょうど某笑顔動画サイトで同じ趣旨のものを見たこともあり、ツボにはまりました！またいつか更新、完結していただけるとうれしいです！ (2013年7月27日 23時) (レス) id: e13d551cc7 (このIDを非表示/違反報告)
涼歌(プロフ) - 6さん» 6さん^^拙いお話でしたが、少しでも光ってくれてますか？(汗)書いていてすっごく楽しかったです♪メッセもお返事させていただきますのでもう少しお待ちください^^ (2013年7月4日 9時) (レス) id: c9edb23143 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼歌
作成日時：2013年6月5日 12時
