私を輝かせる要素｡2【KZ】

Ten ページ13

Version 彩
￣￣￣￣￣
なるべく目立たないようにそっとドアをくぐり抜けるが、なかなか登校しない私の姿にクラスメイト達は注目する


あぁもうこっち見ないでよ



更に今日は金髪でもあるから、まるで気分は不良の子。

これからの時間に不安を覚えながら自席へと辿り着く


すると、さっきまで固まって話していた女子達がこちらを睨みながら近づいてくるのが見えた


なんとなく嫌な予感が…


女子1：立川さんだっけ？席替えしたから、そこ退いてくれる？

女子2：人の席に勝手に座るなんて最低ね。

女子3：さっさとどっか行きなさいよ



席替えなんて、いつの間に…


彩：すみません、最近学校来てなかったから知らなくて…



少し嫌味を込めた言葉を返し、私は席を立った


――――――――――――――――――

どうしてさっきの言葉が嫌味なものになるのか

それはね。


百合ヶ丘は普通の学校とは違うため、授業方針も一風変わったもの


芸能活動が優先だから登校できなくても何も言われない



というか、「登校しない＝売れっ子」だから学校に毎日来ている人はお仕事がないということ。



席替えをしたことを知っているということは登校回数が多いということだから、私のさっきの言葉は「私はあなたよりも活躍しているの。」という意味が込もっているということになる。



百合ヶ丘中学に入学した当初は学業の優先順位がものすごく低いこの校風であったり、全員が芸能人だからこその雰囲気の悪い教室であったり、百合ヶ丘の全てが嫌だった


嫉妬、お金、名声、地位…


普通の中学生なら関わることもないであろうことに日常的に関係しなければいけない




浜田に戻りたい。




何度そう思っただろう




高校に進学する際に試験があった


百合ヶ丘は頭の良い順で進学できるわけではない



芸能人として活躍している順で決まるのだ




そこで、1度分別をしてこれからの将来を芸能人として生きるか、一般人として生きるか決める機会があった


まだ、頑張りたい



立川美彩として輝きたい



こんなに苦しい思いをしてまで芸能人でいたいと思う自分に少し呆れながらも私は決めたんだ



百合ヶ丘で1番輝く人になりたい



それからはクラスメイトに何を言われても動じず、やり返せるようにもなった



あともう1つ。


私には百合ヶ丘で頑張れる理由がある。

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