EPISODE2 - 112 ページ6
No.side
「限界突破？こいつ、一体何をしてたんだ？学校には来てなかったみてぇだが…」
「さぁ？なんか仕事とかなんとか言ってたみたいだけど、本当はただのサボりだったりして。」
「エース、Aにも色々と事情があるんだ。そんな言い方するな。」
「あれ？2人ともAに連絡してないの？」
「いや、忙しかったら迷惑かと思って…」
口では悪態をついているエースだが、その顔は心配していたように見える。デュースもAのことは気になっていたようだ。
「ユウちゃんはAちゃんが何してたのか知ってるの？」
「はい、毎日連絡してくれましたよ。」
「毎日か、随分と仲がいいんだな。」
「オレ様たちは同じ寮生だからな！というか、逆になんでオマエらは連絡してねぇんだ？」
「え…？……まぁ、ね？邪魔しちゃ悪いかな〜…って。」
それが、言い訳なのは明らかだった。しかし、ユウ以外に誰も彼女に連絡をしなかったのは皆一様に勇気がなかったからなので、これ以上追求することはしない。
「ふ〜ん…。心配なら連絡すればいいのに。ね、グリム。」
「当たり前なんだゾ！」
「うっ…。」
「べ、別に心配なんてしてねぇし。」
お手本のようなツンデレ発言にユウはくすくすと笑い、グリムは訳が分からない様子で首を傾げた。
「……ユウの話だとAがいなかった10日間、何をしていたのか知っているようだけど。何故、Aはこんなに疲れているんだい？」
「あぁ、それは…」
「こいつ、休んでる間の課題を昨日全部やったんだゾ！課題だけで出席がもらえるなんて、ずりぃんだゾ〜！！」
「グリムは課題やらないでしょ？あの量の課題なんて尚更、無理だよ。」
ユウは画面に写った山のような課題の写真を見せながら、「こんなにできるの？」と問い詰めた。その写真を見た周りもマジか…という顔をした。
『ん……むぅ…。うるさい……。』
「あ、起きた。」
「A、おはよ。」
『ユウくん…？おはよぉ……』
「おい！2度寝するんじゃねぇんだゾ！！」
『…グリムも一緒に寝ればいいじゃん。これで共犯だぁ…』
ペシペシと顔を叩くグリムをAは捕まえて抱き枕のようにした。
「なんか、Aちゃんって…」
「寝起きだと随分、雰囲気が違うんだな。」
「ギャップってやつッスか？」
「ふな〜…！離すんだゾ〜！！」
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作者名：すずは | 作成日時：2022年6月25日 19時
