EPISODE3 - 9 ページ19
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『……ユウくん、大丈夫?』
「うん…なんとか。」
次々と飛んでくる魔法と人。僕達はそれを必死に避けて、巻き込まれないようにした。
ユウくんも僕の作った手袋と特訓の成果でなんとか無傷で乗り越えたようだ。
「どいつもこいつも弱ッ。絞めがいがねーなぁ〜。」
「まるで無力な稚魚の群れですね。」
「アズールってヤツどんだけ色んな魔法が使えるんだよ!?反則じゃん。」
「アズールの持つ金色の契約書が、エースたちの攻撃を全部弾いてんのか?」
「くそっ、日頃自分がどれだけ得意魔法に頼っていたかわかるな……」
「火を出さないグリムとか、ただの狸だわ。」
「ふなぁ〜……オレ様は狸じゃね〜……」
見事に全員床に倒れ込み、自身の力不足を痛感しているようだ。それよりも、たった3人でこの人数を相手にできるのも驚きだ。
服の乱れも一切なく、息一つあがっていない。さすが、これだけ大胆なことをするだけある。
「みなさんはこの『
フフフ……。頭にイソギンチャクが生えている限り君たちは僕の命令に従わざるを得ない。まずはこのラウンジの清掃をしてもらいましょうか。次に食材の仕込みを。さあ、立ち上がってキリキリ働きなさい!」
「マジかよ……。」
「ジェイド、フロイド。新入りの指導は任せましたよ。」
「はい。」
「は〜い。」
ノッポの双子がそれぞれ個性的な返事をする。さっきも思ったが、この2人はなかなかに強い。
体術もそれなりにちゃんとしてたし、そっち系のお仕事の人なのだろうか……顔もそんな感じだし。
「サバナクロー寮のジャック・ハウルくんにオンボロ寮のユウさん……でしたね。君たちもどうぞお引取りを。次はぜひ、お客様として店においでください。いつでも歓迎しますよ。」
とてつもなく胡散臭い笑顔に野生の本能が拒絶反応を起こしたのか、狼くんは「グルル……」と怒っているような警戒しているような唸り声をあげた。
「おい、ユウ。いったん戻って仕切り直すぞ。」
「でも、グリムたちが……」
「さっきの勝負を見てたろ。丸腰じゃ話にならねぇ。」
『ここは大人しく引き下がろう。』
僕がそう言って、しぶるユウくんの腕を掴むと詐欺師先輩は不気味な笑顔を浮かべた。
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作者名:すずは | 作成日時:2022年6月25日 19時