検索窓
今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:12,565 hit

EPISODE3 - 5 ページ15

.




『それ、イソギンチャク…?なんで……』

「騒がしいと思って来てみれば、お前らか。なにやってんだ?」




頭から生えているモノの正体を確かめようと目を凝らしていると、どこからか狼くんが歩いてきた。




「ジャック、お前も契約を……って、イソギンチャクが生えてない……だと!?」

「見た目のわりに超真面目クンかよ!」

「はあ?何言ってんださっきから。っつーか、お前らの頭のソレ、なんなんだ?」

「コレは、その……ふな゛っ!?なんだぁ!?あ、頭がイソギンチャクに引っ張られる!」

「いでででっ!頭がもげる〜!」

「くそっ、絶対服従ってこういうことだったのか……っ。」



状況の把握が出来ないまま、3人は叫びながらイソギンチャクに引っ張られるように歩き出してしまった。




「なんだ?アイツら……頭に生えたイソギンチャクに操られてるみてぇに歩いてったな。なんて間抜けな絵面だ……。」

『頭からイソギンチャクが生えてるだけで面白いのに、あれは……ふふっ…』

「なにが起こってるか確かめよう。」

「は?なんで俺まで。俺には関係ないだろ。」

「何?ジャック、もしかして怖いの?」

「誰が臆病もんだって?……チッ、お前もだんだんこの学園の空気に染まって来たな。仕方ねぇ。少しだけなら付き合ってやる。俺はこの変な現象の原因がなにか気になるだけだ。別にアイツらのためじゃねぇからな。くれぐれも勘違いすんなよ。」



な、なんてテンプレ通りのツンデレ発言…デカい図体して可愛いよな、狼くんって。真面目で優しくて、これぞギャップって感じ。

こんなこと考えているなんて狼くんにバレたらきっと怒られるんだろうなぁ…



僕は、自分の考えを悟られないようにユウくんと狼くんの背中を追った。















.

















━━━ 鏡舎 ━━━



「ここは……各寮に繋がる鏡舎か。」



僕たちがイソギンチャクの大軍と共に歩き、行き着いた先は寮への移動で使う鏡がある鏡舎だった。そこでは、多くの生徒が口々に文句を言っているのが聞こえてきた。



「今回は絶対に50位以内に入れたと思ったのに〜!」

「ちくしょう、騙された!あのインチキタコ野郎!」

「オレの学園生活お先真っ暗だあ〜!!」

「なんだ!?あの3馬鹿以外にも、頭にイソギンチャクを生やした奴らがたくさんいやがるぞ!2、3年の生徒もいるみてぇだ。全員オクタヴィネル寮に繋がる鏡へ入っていく。」

EPISODE3 - 6→←EPISODE3 - 4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
265人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すずは | 作成日時:2022年6月25日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。