108 ページ9
.
せっかく丸く収まりかけていたのに、とんでもない爆弾投下しやがった。コイツ。
見るからに機嫌が悪くなっていく凛を横目に、僕はゆっくりの2人から距離をとった。すると、いつの間にか背後にロキが待ち構えており、まんまと捕まった。
[「それにしても面白いこと考えるよね。日本がサッカーで世界一になるためのプロジェクトなんてさ。スペイン人が相撲で横綱になる方がまだあり得るよ。そんな無謀なことにこんだけ無駄金使って、日本って裕福でいい国だね。」]
[「皮肉かよ。クソ野郎。」]
[「え、いやゴメン!褒めてるつもりだよ?叶いもしないコトに人生懸けちゃうなんて
とてつもなく爽やかな笑顔で言い放つが、言葉のトゲとは言語を越える。嫌味を言われていることは潔先輩たちにも伝わった様子だ。
[『ほんと…相変わらずだな。』]
[「ちょっともう、ダメですよ。ルナさん。失礼すぎです。」]
[「え、なんで?俺オカシなこと言った?てか、A捕まえてるじゃん。ずるい!」]
[「順番なんで。」]
[『僕は許可してないけどな。』]
僕の肩に顎を置いて、話すロキはとても年上には見えない。というか、ルナたちがロキよりも年上だということも信じられない。年取ると、どんどん自分勝手になっていくもんなのか?
そんなことを考えていると、もう満足したのか、ロキは手を離してくれた。そして、潔先輩の方へ近づいて行く。
[「A、翻訳してくれない?」]
[『あ、うん。』]
[「ゴメンなさいみなさん。あの人マジで悪気ないんで。」]
『えーっと…みんなごめんねー。あの人素で性格悪いんだよ。気にしないで。』
[「あんな自分勝手な大人たちはほっといて、よろしくです。」]
『無駄に歳だけとった我儘なガキどもは無視して、対戦よろしく。…って言ってます。』
「…それ、合ってるのか?」
『おおむね。』
言い回しは少し違うが、意味はそんなに変わらない。ガバガバ翻訳に凛は眉をしかめるが、潔先輩はロキからの握手を警戒しながら握った。
[「いい試合をしましょう。」]
『……さ、試合を始めましょうか。』
ロキは、僕とも握手をしてから自分のチームへと帰って行った。
僕はロキのああいう真っ直ぐなところが苦手だ。底知れない何かを隠し持っている気がして、いつそれが牙を剥くか分からない。
299人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずは(プロフ) - 志希さん» コメントありがとうございます!原作との兼ね合いもあるので、また途中で停止してしまいますが、とりあえずキリのいい所までは頑張ろうと思っています。お楽しみに!! (2月27日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - とても面白い作品です!続きが気になりすぎます( *´꒳`*)更新頑張ってください‼️ (2月27日 20時) (レス) @page6 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新楽しみに待ってます! (6月14日 20時) (レス) @page1 id: b4cbcf9e4b (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (5月18日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - すごい面白いです!応援してます! (5月18日 17時) (レス) id: 6418013ee0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すずは | 作成日時:2023年5月16日 19時