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すっかり元気になった体を動かして、軽い足取りで無機質な通路を進む。
『いやー、なんだかんだ初めてですね!潔先輩と同じチームになるのは。』
「そうだな。」
『嬉しいです!!』
「…まだそんなこと言ってくれるんだな。」
『?』
僕はさっさと奥に進んでしまったから、潔先輩が凪たちに何を言ったのかは知らない。でも、揉めてはいなかった…はずなのに潔先輩は妙な顔をした。
「正直、 俺 はオシャ部門で千切豹馬が欲しかった。だが、お前のバックヒールもオシャだった。歓迎するぞ、潔 世一。」
「ありがとう…ございます。」
『なんか、借りてきた猫みたいですね!もっと楽しい話しましょ!』
僕が勢いよく突進して抱きつくと、潔先輩は困ったように笑ったあと頭を撫でてくれた。まるで彼女のような扱いに、少し気恥しくなる。
「潔!「奪い返す」って言ってたけど、逆になっちゃったね。」
潔先輩にくっついていると、蜂楽が潔先輩に話しかける。それを見て、僕はオシャさんの方へと移動した。だって、なんか2人の間には入れないから。
『…オシャさーん。』
「A、さっきの試合…お前もなかなかオシャだったぞ。」
『え?でも僕、1点も決めてないよ?』
「ただ一心に面白さを求めるその姿勢。とてもオシャだ。」
『そう?やっぱり、オシャって難しいな。』
「心を変えないというのは簡単にできることではない。結局、凛はお前を"勝ちたい"と思わせることが出来なかったからな。」
驚いた。僕がさっき言った、"鍵"という意味を勝つためのものではなく面白くするためのものという解釈をしてくれているなんて。オシャさんって、実は頭がいいのかもしれない。
「おい、凛、A。」
『?』
「教えてくれ、俺はなんでお前らに負けた?」
「…あ?」
「さっきの試合…お前らに勝つためには何が足りなかった?」
「ハッ、猿が見ても明らかだろ。"運"だ。」
真剣に問いかけてる潔先輩を、凛はたった一言で片付けてしまった。だが、潔先輩はそんな言葉で納得するような人じゃない。
「待ってくれよ!"運"なんて不確定要素じゃ割り切れない…俺は強くなるためにちゃんとした理由が欲しいんだ!」
『"運"はちゃんとした理由だと思いますよ?』
「は?」
「"運"という
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すずは(プロフ) - 志希さん» コメントありがとうございます!原作との兼ね合いもあるので、また途中で停止してしまいますが、とりあえずキリのいい所までは頑張ろうと思っています。お楽しみに!! (2月27日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - とても面白い作品です!続きが気になりすぎます( *´꒳`*)更新頑張ってください‼️ (2月27日 20時) (レス) @page6 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新楽しみに待ってます! (6月14日 20時) (レス) @page1 id: b4cbcf9e4b (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (5月18日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - すごい面白いです!応援してます! (5月18日 17時) (レス) id: 6418013ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずは | 作成日時:2023年5月16日 19時