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[『アンタらの本当の目的はコイツらの査定だろ?U-20W杯日本代表のメンバー選考。』]
[「やっぱりバレてた?」]
[「Aのせいで報告しにくいじゃん。コイツらの実力全然分かんなかったし。」]
[『僕がいなくても報告すること少ないだろ。たった5点で実力が分かるほど強くない。』]
[「なんだ、Aもそう思ってたんだ。Aが面白そうにサッカーしてるから、コイツらに何かあるんだと思ってたけど…」]
[『…仕事じゃないサッカーは久しぶりだからな。』]
確かに、潔先輩たちとのサッカーは楽しい。だけど、それは部活という雰囲気が抜けきっていないからだと思う。大人に監視されないサッカーは心底楽しいものだ。
[「ねぇ…僕、思うんだ。」]
『?』
[「Aをここで死なせるのは、もったいなさすぎる。」]
[『!それって…!!』]
[「皆さんもそう思うでしょう?」]
[「当たり前だろ。勝ち逃げなんて許さねぇ。」]
[「いいとこ取りは可愛くないよ。」]
[「俺が勝ったらなんでも言うことを聞いてもらう。」]
ロキは、全て知っているかのように笑う。その顔を見て、僕は猛烈に嫌な予感がした。誰だ…?絵心か?僕がここに来た理由を知っているのは、極僅かなはず…
[「A。」]
[『ん?』]
[「またやろうね。」]
[『……そうだな。』]
それだけを言って、ルナたちは通路の奥へと消えた。
そういえば、負けたことに対して怒ってなかったな。悔しがってもなかったし…最初からアイツらの目的は金じゃなくて僕と試合することだったのかもしれない。
(なんて…自惚れかな。)
「…ねぇ、あれがAの本気?」
『え?』
「今までとは全然違ったよね。テレビで見たまんまだった。」
本気…か。筋力は落ち、十分な情報収集もチームワークを作り上げることもしなかった。事前準備が何もないあの状態で、ゴリ押して勝った試合は…果たして本気と言えるのだろうか。
『…どうだろうな。まだ、僕の本当の武器は使ってない。それでも、あれが本気だって言うのならそうなのかもな。』
「本当の武器?」
『いつか教えてやるよ。さ、疲れただろ。さっさとシャワー浴びようぜー。』
悔しそうに座り込んでいる凛には、声をかけず僕はたった1人でシャワールームへと向かった。
歩いている途中、プルプルと震える足と揺らぐ視界がどうにも気になったが、僕は全てを無視した。
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すずは(プロフ) - 志希さん» コメントありがとうございます!原作との兼ね合いもあるので、また途中で停止してしまいますが、とりあえずキリのいい所までは頑張ろうと思っています。お楽しみに!! (2月27日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - とても面白い作品です!続きが気になりすぎます( *´꒳`*)更新頑張ってください‼️ (2月27日 20時) (レス) @page6 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新楽しみに待ってます! (6月14日 20時) (レス) @page1 id: b4cbcf9e4b (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (5月18日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - すごい面白いです!応援してます! (5月18日 17時) (レス) id: 6418013ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずは | 作成日時:2023年5月16日 19時