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即効性のある薬。副作用が強くてあんまり飲みたくないけど、こればかりは仕方ない。だって、めまいが凄すぎて目が見えないんだよ?なんで立ってんのって感じでしょ?
『…ふぅ〜……』
「A。」
『ん?』
「お前も潰す…」
『え、何?殺害予告?』
薬が効いてきたことで、僕はゆっくり目を開けた。振り返って見えた景色は、いつもよりもキラキラしているフィールド。
そして、凛に初めて名前を呼ばれた喜びと、突然の殺害予告に僕な感情はジェットコースターだ。それに、なんかやけに注目されてるし…
『…なんかよく分かんないけど、早く行こっか。』
「ねぇ、A。」
『ん?』
見れなかった後半の方の試合を早く見たくて、僕は先へ進もうとした。だが、少し表情の変わった蜂楽に呼び止められた。
「…なんで、最後俺にパスくれたの?」
『なんでって…最初から決まってただろ。この試合の鍵はお前だ。蜂楽 廻。僕は鍵穴に鍵をさしただけ。ま、最後に開けるのは凛だったけどな。』
「え?」
『お前のその"かいぶつ"とやらは、言わば"呪い"だ。そこから解放されるのを待ってた。ただそれだけ。』
「じゃあ…最初から…?」
『どうだった?長年の相棒との決別は。』
僕は歩きながら、すれ違いざまに蜂楽の肩をポンと叩いた。すると、驚いた顔をしていたのが何か考え込み、次第に笑顔を変わった。
「…ありがと。」
『ん。』
「つまり、Aは初めから蜂楽に目をつけていたのか。オシャだな。」
『というか、考えればすぐに分かる。この場で1番警戒すべきなのは誰か……潔先輩たちはそれを外した。たった数手先の読み合いでわちゃわちゃしてるだけじゃダメ。』
僕は勝ちに執着しないことで、誰よりも試合を遠目から見ていた。だから、蜂楽に気づいたんだ。というか、挑戦ができた。
『時には観客になることも必要…ってことさ。』
それにしても、さっきの試合は昔の僕によく似ていたな。僕も昔は個人技で勝負できなくて、味方を操るってことをしてた。
昔を思い出しながら、スタスタ歩いていると、誰かにガッと肩を掴まれた。その衝撃で体が後ろに倒れて、少しよろける。
「Aは…」
『潔先輩?』
「…一体、いつからどこまで見えてたんだ…」
どこかで聞いたことあるセリフ。僕はその言葉を嘲笑って答えた。
『さぁ?僕のは、予測じゃなくて予言ですから。』
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すずは(プロフ) - 志希さん» コメントありがとうございます!原作との兼ね合いもあるので、また途中で停止してしまいますが、とりあえずキリのいい所までは頑張ろうと思っています。お楽しみに!! (2月27日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
志希(プロフ) - とても面白い作品です!続きが気になりすぎます( *´꒳`*)更新頑張ってください‼️ (2月27日 20時) (レス) @page6 id: 72017f3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新楽しみに待ってます! (6月14日 20時) (レス) @page1 id: b4cbcf9e4b (このIDを非表示/違反報告)
すずは(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (5月18日 21時) (レス) id: 2f649bb5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - すごい面白いです!応援してます! (5月18日 17時) (レス) id: 6418013ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずは | 作成日時:2023年5月16日 19時