ルドベキア

Rudbeckia　21 ページ21

「…くん、瑞稀くん！」




瑞「あ、あぁ



ごめん、なんだっけ？」



今日は、俺とAの1年の記念日で


朝から考えたデートプランをこなしてきた





でも、デートをしている最中なのに



頭の中にあるのは



はしもっちゃんに言われた





『瑞稀は、騙されてんだよ』






この言葉で



Aが、そんなことをしないって思ってる





けど、まっすぐに話してくれた大事な友達の顔が


過ってしまって




Aへの返事も曖昧になる









「あー今日も楽しかったー！」


瑞「うん、よかった、楽しめた感じで」


「うん！瑞稀君、1年ありがとう」


瑞「んーん、あ、プレゼント…




って、あれ？」




デートも終盤になってきて


先日買ったあのネックレスをAに渡そうとした



そのときだった







確かに、昨日の夜に鞄の中に入れた


白くて細長いネックレスの入った箱が





どう探しても見つからない






「…プレゼント、ないの？」




焦りながらAのほうをむくと


さっきまでの笑顔はどこにいったのか




ワントーン低いAの声に


耳を疑った





瑞「ご、ごめん、




こないだAが欲しいって言ってたネックレス


あげようと思ったんだけど…」









「ほんっと、使えない」

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