06 ページ7
「君、名前は？」
俯いていた私に近づいてその人は笑った。
「い、伊原。伊原Aです。」
「よし、Aちゃん合格！」
「え？ほんと…………ですか？」
私も他のマネージャー候補の人もあっけらかんとした様子。
それもそうだ。
普通なら落とされる状況だったのだから。
隣の女の子は顔色一つ変えなかったけれど。
「うん、俺は及川徹。及川さんって呼んでくれていいからねー！」
ポンポンと頭を撫でた及川さんは隣の美人さんにも目を向けた。
「あっれ？雫ちゃんじゃん。体育館入っててよかったのにー。」
「会話の流れから、選考会に出ろという意味だと受け取ったんですが。」
「ごめんごめん。じゃあ、二人はこっち来てー。」
そう言って部員の方へ私たち二人を引っ張る及川さん。
恨めしそうな女子たちの視線が痛い。
「おい、グズ川。まだ決まんねーのか。
さっさと練習すんぞ。」
つれてこられ、たたされた場所の真っ正面には
苛々した表情の先輩。
身長おっきいなー。私が小さいだけだけど。
30�儖幣緡イ譴討襪鵑犬磴覆い�な？
威圧感と共に感じられる安心感。
学年も違うから、
こんな近くで声を聞けるだけで満足してしまいそうな程、
今私は、幸せですよ。
岩泉先輩。
「まあまあ、ちょっと待ってよ、岩ちゃん。」
そう岩泉先輩をなだめ、及川さんは女の子達の方へ向き直った。
そして列の端から端まで眺めて仁王立ちして言った。
「はい、皆来てくれてありがとー！
帰っていいよ。マネージャーとしてじゃなくてなら、
いつでも応援に来てくれていいからね☆」
「何で、上から目線何だ、クソ及川！」
岩泉先輩は片手に持っていたボールを及川さんの後頭部に叩きつけた。
他の三年生からも浴びせられた暴言に及川さんは少し悲しそう。
でも、そんな日常の一つの光景が
岩泉先輩の写ったその光景が
堪らなく楽しくって、嬉しくって、
思わず笑みがこぼれたんだ。
「ふふっ」
控えめに私が笑うと皆驚いた表情で周りの部員の方々が私を凝視してきた。
「？」
なんか、
い、岩泉先輩にも見られてるっ！
ど、どど、どうしよう。
笑っちゃいけなかった？
混乱してあたふたしている私の頭に及川さんはてを置いて、
裏のない笑顔で言った。
「なんだ、笑った方が可愛いじゃん！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 560人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (
レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります！ (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです！続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい！ (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです（´-`）頑張ってください！ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：錫羽 | 作成日時：2015年3月1日 12時
