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及川先輩の口からは、岩泉先輩だけでなく

先輩自身の悲しみが伝わってきた。

岩泉先輩の初めての彼女のこと。

幸せだった時間。

そして、それが偽りのものだったこと。

及川さんはその出来事を切っ掛けに

岩泉先輩に近づく女に今私にしたような事をして

切り捨ててきた事。

辛そうに過去を語る及川先輩を

雫ちゃんも辛そうに見つめていた。

「でも及川さん傷ついたなー」

「?」

「だってAちゃん、俺のことめちゃくちゃ拒絶するんだもん。

ちょっとショック」

及川先輩はそういってほっぺを膨らませた。

慌ててフォローしようとしたが

「当然の報いですよ、ゲス川さん」

「うわ、雫ちゃん辛辣」

二人のやりとりに日常が、平和が戻ってきたような気がして、

思わず涙がこぼれた。

「うわわ、何?また俺なんかした?」

「ゲス川さん…」

「ええ!?」

「ち、違うんです。

なんだかすごくほっとしたら、

なんか出てきちゃって…

おかしいな、引っ込まないや…」

そんな私の様子をみて、ほっとしたように笑う二人。

「ごめんね、A

一応私も、この人の片棒を担ぐようなことしてきたの。

でも、こんな人だけど、散々な事してきたけど、

それでもこの人なりに岩泉先輩のことを思ってしたことなの。

できることなら許してあげて欲しい」

そういって微笑む雫ちゃんの顔は、

ステンドグラスのライトに照らされて、

一種の絵画のようだった。

「正直、ちょっと自分の気持ちは

まだ整理しきれてないけど、

多分ちゃんと理解はできたよ。

前も今も怒ってないし、

困惑っていうのが大きいのかな…うん

だから許す許さないで言うなら、許すってことになると思う」

顔を上げて、雫ちゃんの笑顔に私も笑顔で応えた。

「よーし!じゃあこれでひとまず

一件落着ってことで、これからよろしくね」

「全く暢気なんだから…」

「これから及川さんは、恋のキューピッドとして

二人の恋に協力していくよ!

及川さんが協力するんだから、絶対成就させるよ!

いいね!」

「余計心配です」

芽生えかけた感情に蓋をして、

私はこれからの未来に待つ、明るい予感に

胸を躍らせていた。

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設定タグ:及川徹 , 岩泉一 , ハイキュー   
作品ジャンル:恋愛
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なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります! (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです!続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい! (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです(´-`)頑張ってください!ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錫羽 | 作成日時:2015年3月1日 12時

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