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矢巾side
大丈夫かな、伊原さん。
部活に関しては真剣な及川さんだけど、
多分伊原さんのことはただのマネージャーだとは思ってない気がする。
じゃなきゃそもそもこの買い出しだっていらなかったはずだ。
遡ること1時間前。
終礼の最中。
俺は完全に浮かれていた。
女子と2人で買い出しなんて、ほぼデートじゃん！
伊原さんか〜、あんまり垢抜けない感じだけど、純朴そうな感じで可愛いし。
買い出しの相手に俺選ぶとか、絶対俺に気があるんじゃ…！
これがきっかけで付き合っちゃったらどうしよ〜
浮かれて伊原さんの教室に行った俺は後悔した。
みなみが俺を可哀想と言ったわけがすぐにわかった。
買い出しは2人きりじゃなかった。
しかも及川さんと一緒。
俺に拒否権なんてあるはずないし、諦めるしかないか。
その後生徒玄関で靴を履き替えていると、何故か3年の下駄箱に向かった及川さんがやってきた。
｢どうしたんすか？｣
目が笑ってない。怖い。様子がおかしい。
｢耳貸して｣
おそるおそる耳を寄せると、急に肩を力強く掴み、引き寄せられた。
｢買い出し終わったら、矢巾は家の用事を思い出して直ぐに帰らなきゃ行けない。
ほかの人に今日のことを他言しない。
矢巾はお利口さんだよね｣
｢で、でも、俺｣
｢ね？｣
及川さんの目には光はなく、何を考えているのかは分からない。
断ったらどうなるのか、その先を考えるのが恐ろしくなって、
勢いよく首を縦にふった。
それから俺は気が気じゃなかった。
いつもはこんな理不尽なことで怒るような人じゃない。
でもさっきの高圧的な及川さんを見ると、今日は大人しくした方がいいと
体が勝手に萎縮してしまう。
道中も二人の会話にもできるだけ入らないように、
ひたすら相槌だけ打っていた。
｢これなら買い出しなんて来なきゃ良かった…｣
そう思って、ふと違和感が芽生える。
あれ、買い出し？
そういえば買い出しって今までどうしてたっけ？
今までマネージャーが長くいたことほとんどないから分からないけど、
いつもダンボールに詰め込まれたのを誰かが持ってきてた。
そうだ、選手やマネージャーの時間を削らないために、数年前にネット通販に切り替えたって誰かが…
じゃあ、目的は買い出しじゃなくて、伊原さん？
それなら俺を追っ払おうとするのにも納得が行く。
及川さん女関係はいい噂聞かないし、何考えてるんだろう。
ひとまず伊原さんに忠告だけしておこう。
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なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (
レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります！ (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです！続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい！ (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです（´-`）頑張ってください！ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錫羽 | 作成日時：2015年3月1日 12時
