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Aside
｢ごちそうさまでした〜｣
こじんまりとしたお弁当箱をカバンにしまって、数学の宿題用ノートを広げる。
5限目は怒り方が静かでこわい古川先生の授業だから、みんなお昼を食べ終わったら、休む間もなく数学の勉強を始めている。
クラスで仲の良いみなみちゃんは、数学が特に苦手たから、私もみなみちゃんに教えつつ、授業の予習をしていた。
｢この図形だと、こことここが同じ角度になるから、和積の公式を使うと...｣
｢おーい、伊原｣
誰かに名前を呼ばれた気がした。
｢伊原、先輩がお呼びだぞ〜｣
『先輩』というキーワードを聞いただけで私は頭にあの人を思い浮かべてしまった。
期待に胸がふくらむ反面、髪が乱れていないか、お弁当の海苔が歯についていないか、自分の様子ばかり気になって、目が泳いでしまう。
意を決して声する方へ顔を向けると、クラスメイトの横に見えたのは及川さんの姿だった。
｢やっほー、Aちゃん。勉強の邪魔しちゃった？｣
｢いえ!大丈夫です!｣
｢どうしたの、ほっとした顔しちゃって。
もしかして誰かさんじゃなくてガッカリした？｣
｢へ？｣
｢まあ、それはいいや。
それより今日さ部室の備品の買い出し、付き合って！｣
お願い！と頭を下げて、手を合わせる及川さん。
後輩である私の教室で先輩に頭を下げさせている私って、なんかすごく悪い人みたい。
慌てて顔を上げるように促すと、私の頭にぶつかりそうな勢いで頭をあげた。
「じゃあ、そういうことで！放課後に教室まで迎えに行くから！」
そう言い残して、私の返事も聞かずに先輩は颯爽と去っていった。
放課後って部活あるはずじゃあ…
何か見落としているかも、と入部の時にもらったプリントを見ると週に一度休みがあることが書かれていた。
「大丈夫？」
机にかじりついて勉強していたはずのみなみちゃんが、いつの間にか私の真横に立ち、心配そうにこちらを見ている。
「大丈夫って何が？」
「何って。買い出し？だっけ。まあ、なんでもいいけど、及川さんと二人で出かけるなんて」
「？？？」
「だからね、買い出しって名目だけど、結局男子と、それも超イケメンでモテモテの及川さんと二人で出かけるんでしょ。それってデートじゃん」
「デ、デート！？」
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なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (
レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります！ (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです！続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい！ (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです（´-`）頑張ってください！ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錫羽 | 作成日時：2015年3月1日 12時
