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及川side
居残り練も終わり、ボールが乱雑に入れられたかごを
体育館の用具室に運ぼうと歩いていると、後ろからついてくる影に気がついた。
そう言えば、休憩のときもチラチラ見られてたな。
「どうしたの？マッキー。」
いかにも納得がいかないといった顔のマッキーは
少し躊躇してから、俺に問いかけてきた。
「及川、お前、なに考えてんだ？」
「何が？」
「伊原ちゃんだよ。」
それでもなにも言わない俺に苛っときたらしいマッキーは
用具室のなか、かご蓋をする俺の背中に向けて
少し強い口調で言った。
「ありゃ、どうみても岩泉狙いだろ。
ほっといていいのか。
そもそも
お前なら、選定のときに気づいてただろ。」
勘の鋭いマッキーは
もう俺の審査基準を理解してるみたいだね。
でも、
「何で岩ちゃん狙いだって思うの？」
「まず、お前は岩泉を岩ちゃんって呼ぶのに
あいつは岩泉先輩って呼んでた。
まあ、あとは見てれば分かるって。あれは。」
岩泉を見るときのあいつの様子を見て気づかない
他の部員たちがむしろ心配だ
と言うマッキーの意見には俺も同意だ。
「ま、岩ちゃんは別なんだよ。
あの子なら部の雰囲気を壊すことはしないだろうし。
まあ、ちょっと俺に任せといてよ。」
そう、無垢だろうが純粋だろうが関係ない。
俺が誘って揺らぐのならば、ここにおいてはおけない。
だからそれまで、
俺に任せておいて。
俺の穏やかな笑顔に悪寒が走ったらしくマッキーは一瞬身震いをすると
苦笑いを浮かべていった。
「お前とは友達になりたくねーな。」
「ヒドッ！え、友達だよね？て、ちょっ、あれ？」
泣きそうな顔ですがる俺を無視して
マッキーは用具室から出ていってしまった。
「あーあ、酷いなー、もう。
じゃ、そういうことだから、明日、昼お願いね。」
俺が扉に向かって話しかけると
その影から怠そうな雫ちゃんが顔を出した。
「いいけど、あんまり苛めないでよ？あの子。」
「何？気に入っちゃった？」
「別にそういうんじゃないけど。
でも、
及川さんみたいな汚れた人が
あの純粋な女の子を汚すのを見たくないだけ。」
それって、もう十分、気に入っちゃってるじゃん。
「ほらほら、早く終わらせないと、怒られちゃうよー。
主に及川さんが、岩ちゃんに。」
ぐいぐいと雫ちゃんの背中を押して
用具室から出ると
体育館には数えるほどしかいなかった。
「女子といちゃついてんじゃねー、グズ川」
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なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (
レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります！ (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです！続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい！ (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります！ (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです（´-`）頑張ってください！ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錫羽 | 作成日時：2015年3月1日 12時
