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岩泉先輩にボトルを渡し終えた私は
浮かれた足取りで一年生のもとへボトルを持っていった。
「はい、国見ちゃん!」
眠そうな顔をした人にボトルを渡す。
一年生なのに皆とても慎重高いな。
などと、考えているとボソリと彼が呟くのが聞こえた。
「小学生みたいのに、国見ちゃんって呼ばれるのはちょっと……。」
無表情のままなんてことを言うんだ!この人は。
確かに女子高生にしては小さいし、こんな高さの小学生もいるけど!
「ひどい!国見ちゃん!
部活に関しては初心者だけどこれでも先輩だからね!?」
と主張してみるが、国見ちゃんは面倒くさそうにため息をついて離れていってしまった。
落ち込んでいる私に上から声が降ってくる。
「あんまり凹まないでください。
国見は大体あんな感じですから。」
「ら、らっきょ君……!」
「え……」
「あ、ごめんね。はい、ボトル。」
周囲では二、三年生が必死に笑いをこらえていた。
「………及川さん、伊原先輩になんて紹介のしかたしてるんですかっ!」
涙目になりながららっきょ君が振り返った先では、
及川さんが、腹を抱えて笑っていた。
「はははっ……も、もう無理!」
「……及川さん?」
怒りを秘めた口調でらっきょ君がそう声をかけると
なんとか深呼吸をして及川さんが息を整えようとしていた。
「いやー、ごめんごめん。
なんかその方が面白いかなって思ってさ☆」
らっきょ君はやり場のない気持ちをおさえてこっちに向き直ってきた。
「俺は金田一って言います。」
「そっか、ごめんね。失礼だったよね。
金田一君。よろしくね。」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。」
「でさ、ちょっと聞いても良い?」
なんすか?と言って金田一君はボトルをベンチに置いた。
余程喉が乾いていたのかボトルは乾いた音を立て倒れた。
「一年生なのに二、三年生とも皆仲良いよね。
まだ、春なのに。」
「あー、あれっすよ。及川さんも岩泉さんも
結構な人が同じ中学なんすよ。
北川第一って知りません?
かなりバレー強いとこなんすけど。」
「そうなんだ。名前しか聞いたことないけど……」
「お前らー、練習もどれー。」
コーチの掛け声で皆がシューズを鳴らしながらコートに入っていく。
ボトルをかごに入れながら自然と視線は岩泉先輩の方に向いてしまう。
岩泉先輩の中学校か……。
いいなー、同じ中学校。
先輩どんな中学生だったんだろ。
「やっぱり。」
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なな。 - 本当に素敵な作品だなっておもいました!何年間立ってしまっっていますが、また更新していただけたら嬉しいです!!!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年9月2日 19時) (レス) id: a61ae100ab (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - 桜月さん» コメントありがとうございます。できる範囲で面白い作品にできるよう頑張ります! (2015年4月9日 10時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 初めて読みましたがとても面白いです!続きを楽しみにしています。落ちがどうなるのか楽しみです♪これからも頑張って下さい! (2015年3月22日 1時) (レス) id: 9169d63014 (このIDを非表示/違反報告)
錫羽(プロフ) - いさみさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2015年3月10日 12時) (レス) id: bf2c794795 (このIDを非表示/違反報告)
いさみ(プロフ) - めっさ、面白いです(´-`)頑張ってください!ww((⊂(∩●血●∩)⊃)) (2015年3月9日 18時) (レス) id: 103d234b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:錫羽 | 作成日時:2015年3月1日 12時